ベトナムでは新年から、映画鑑賞の新しい年齢制限が施行された。しかし、厳格に守っている映画館は少数にとどまっている。

文化スポーツ観光省によると、新ルールには、すべての年齢が鑑賞できるP指定と▽13歳以上のC13指定▽16歳以上のC16指定▽18歳以上のC18指定─の4種類の年齢制限がある。制限は、作品のテーマや内容、言語のほか、暴力や薬物に関する表現などを基準に、選別している。

ところが、とある映画館をのぞいたところ、新年に入っても、16歳以下の客が、「マリアンヌ」「アンダーワールド ブラッド・ウォーズ」「アサシン クリード」などの作品を、IDの提示なしに入館していた。この点について、映画館側は、「これらの作品は(新ルールの施行された)1月1日以前から公開されているので、旧ルールに準じて上映している」と説明する。

ルールに従えばC13、C16、C18指定の映画は、年齢確認のできる写真付きの身分証明書が必要だ。オンラインで購入したチケットの場合は、映画館の入り口でチェックすることになっている。

公正なルールの運用をしている映画館に報いるためにも、政府は違反した映画館に対するペナルティーを設けるべきだ、との声も出ている。

しかし、映画配給会会社からは、「13歳になれば、もう大人な並みに身長が高いので、IDを所持していない場合、年齢のチェックが難しい」との声が上がっている。