アオザイの不朽の美、スクリーンを彩る

ベトナム人女性の伝統衣装-アオザイ。その美しさは、長く衰えることなく、11月14日に公開された映画『Co Ba Sai Gon (The Tailor)』でもアオザイが深い感動を与えていた。

昔も今も、サイゴンの活気あるファッション文化は、映画全体の背景を作り上げてきた。そしてまた映画は、1990年代の名女優ディエム・ミー(Diem My) やトゥイ・フオン(Thuy Huong)、最近では若手女優の代表であるニン・ズオン・ラン・ゴック(Ninh Duong Lan Ngoc)やディエム・ミー 9x(Diem My 9x)といった、ベトナム映画の主演女優を送り出してきた。

映画『The Tailor』の2人のプロデューサーうちの1人は、38歳の女優兼監督のヴァンで、彼女はハリウッドのヒット作、ウイル・スミス、ジョエル・エドガートン、エドガー・ラミレス出演の『Bright』やミシャル・ヨー、ドニー・イエン、ジェイソン・スコット・リーによる『ソード・オブ・デスティニー』にも出演している。ヴァンはまた、まもなく封切られる『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でも、レジスタンスの射撃手を演じている。

この多才なヴァンだが、その野望はベトナム文化であるアオザイを、映画を通して世界に伝えることだったという。

彼女は『The Tailor』の公開初日に、「映画の中で、仕立屋のオーナーであるタイン・マイ(Thanh Mai)は、娘のヌー・Y(Nhu Y)に『アオザイは、我が家の家業の源』と聞かせるシーンがあるが、アオザイはベトナム文化の源であり、この映画の源でもある」と語り、「ハリウッドで積み上げたすべての経験をもって、私はベトナム映画の発展に貢献したい」と強調した。

アオザイの制作者を演じ、伝統衣装の「quintessence(真髄)」を表現するために、ヴァンやその他の出演者は、アオザイデザイナーで、ホーチミンにアオザイ博物館を開いたシ・ホアン(Si Hoang)の下で学んだ。また、出演者が着用したすべてのアオザイは、ホーチミンを拠点にするデザイナーのトゥイ・グエン(Thuy Nguyen)によって作られた。彼女は映画の共同プロデューサーでもある。

ベトナムでの公開前に『The Tailor』は、10月に韓国で開催された第22回釜山国際映画祭2017で、“A Window to Asian Cinema”のカテゴリーで上映された。

『The Tailor』は、英語字幕付きのベトナム語で、ベトナム全国の映画館で上映されている。