映画製作会社、VAAのオーナーで人気映画スターでもあるゴー・チャン・ヴァンが、本格的に映画製作に乗り出した。第1弾としてベトナムの民話や神話をテーマにした4作品の製作を明らかにした。

写真㊤=ロマンチックコメディー「コ・バ・サイゴン(ザ・テイラー)」のワンシーン(VAA)

1本は「チャン・ドン・ダット・ベト(ベトナムの天才)」。原作は同名のマンガで、作品には、18世紀の詩人で百科事典編集者、政府官僚でもあるル・クイ・ドン、数学者で詩人のルオン・ザ・ビンら、さまざまな時代の歴史上の人物が登場する。

他の3作品は、いずれも有名な神話で「チャッ・サン」「チャン・ジョン」「ソン・チン・チュイ・チン」。特に力を入れているのがソン・チンとチュイ・チンの2人の神の戦い。チュイ・チンは、ソン・チンの国を破るために、雨を降らせ、雷を鳴らし、洪水を起こし、土地や作物、家を壊し、人々を死にいたらしめる。ソン・チンは魔法を使って山で壁を作り、そこに人々を避難させて、最後には勝利を収める。

ヴァンが手掛けた1960年のホーチミン市を舞台にしたロマンチックコメディー「コ・バ・サイゴン」は2017年の釜山国際映画祭で上映され、高い評価を得た。主役のニン・ドン・ラン・ゴックはアジア・スター・アワーズ2017で「アジアの顔」と呼ばれた。同作品でヴァンは、米国で映画を学んだ若手、ロック・チャンとカイ・グエンを監督に起用した。