ブーロン石材彫刻を守れ ドンナイ省が支援策

ドンナイ省商工局は、300年の歴史を有するビエンホア市のブーロン石材彫刻の継承、発展に向けた支援プロジェクトの承認を政府に申請した。南部の省では、伝統工芸の復活に向けて、同様の取り組みが盛んに進められている。

写真㊤=長い伝統を誇るブーロン石材彫刻。支援プロジェクトによる技術継承、発展が期待されている

同省は、伝統工芸の「宝庫」と呼ばれるほど、特産品が多い。ビンクー地区の鋳鉄や銅細工、チャンボム地区の木彫品、ビエンホア地区の陶磁器、タンプー地区のブロケードの織(絹織物)、ディンクワン地区の籐と竹細工など、数多くの伝統工芸品が今も作られている。

同省の伝統産業は、計画にもとづいて発展してきたわけではなく、小規模な工房が自然発生的に発生した。このため、設備は時代遅れで、配送や流通のネットワークも非効率的。80%の工房は、生産を拡大する設備的な余裕がなく、デザインや質的な面からの競争力も高くない。

「こうした事情が、伝統産業が発展から取り残され、忘れ去られてしまう原因となっている」と同省商工局は説明する。

ブーロン石材彫刻の支援策も、こうした事情が背景にある。支援策では、生産者に対し、最新技術にアクセスしやすく、商品の競争力強化に関する研究会なども盛んな工業団地に移転することを奨励。移転する場合、計画やコンサルティングに関する費用やインフラ整備に対して補助金が受けられるようにする。

同省はすでに、タンプー地区のチャウマ族のブロケード織やビンクー地区の鋳鉄製品、チャンボム地区の木彫品などに同様の支援を打ち出しており、こうした支援が、他の伝統工芸にも広がることが期待されている。