都会派のアオザイ披露 ハノイでショー

ファッションデザイナー、トゥイ・グエン(Thủy Nguyễn)さんの過去8年間のキャリアを紹介するするファッションショー「ティン・タン(Folk Sound)」が、ホーチミン市で開催された。ステージでは、グエンさんの近年のアオザイ作品60点以上が、効果的な音響と照明に合わせて披露された。

写真㊤=トゥイ・グエンさんの鮮やかな赤のドレスをまとうトップモデルのチュエット・ランさん

一流のアーティストとして、またファッション界のアイコンとして、複数のテレビ番組にも出演するグエンさんは、ハノイ生まれ。2003年に夫共にウクライナに移住してから、本格的にファッションに没頭するようになった。ファッション以外のアート活動も有名で、油彩作品の「暗く赤い霧(Dark Red Fog)」(1.6㍍四方)は、サザビーズのオークションでは10万㌦(約1100万円)で落札され、話題を呼んだ。また、幅広い分野の若手アーティストを育成するファクトリー・コンテンポラリー・アーツ・センターの創立者でもある。

今回のショーに出品されたアオザイは、サテンやベルベットなどの高級素材を使用したものから、シンプルさと実用性を兼ね備えたアオザイまで、ベトナムの伝統文化をさまざまな形で取り入れている。「お気に入りの色」という赤と黒のほか、レモングリーンや金、黄、紺、真紅、ピンクなど色彩も鮮やか。作品は、ハノイ北部のドンホー村に伝わる天然由来の絵の具を使った伝統工芸品、ドンホー版画に触発されたという。

「高級ファッションとしてのアオザイと、シンプルでリアルな暮らしの中のアオザイをミックスすることで、都会の女性が1年間を通して、それぞれの季節に応じて着られるポピュラーな服作りを目ざしたい」と話すグエンさん。「私のデザインは、まさにベトナム人そのもの」と話している。

今回のショーは、舞台ディレクターをスアン・ランさん、舞台イベントをゴ・ホン・クアンさんが務め、トップモデルのチュエット・ランさんら30人のモデルが出演した。