迫力満点の龍の舞 ハノイの伝統芸能

新型コロナウイルスの拡大で揺れた今年のテト。とはいえ、例年通り行われたイベントも多く、町をにぎやかに盛り上げた。そうした晴れの舞台で欠かせないベトナム伝統の舞を紹介しよう。

まるで生きているかのようにダイナミックにうねる巨大な龍。華やかで迫力満点の龍舞=写真=は、ハノイのテト名物ともいえる伝統文化の一つだ。

龍舞は、厄を払い、福を招くと信じられている。にぎやかな太鼓の伴奏にのせて、大勢の男たちが長さ10㍍以上の布や紙でできた龍をリズミカルに操る様子は圧巻。祭り気分は一気に盛り上がる。

龍は、神秘的な力と吉報をもたらす神聖な生き物とされ、国家や祖先を象徴すると信じられている。ベトナムには「龍と妖精の子孫」という有名な伝説もあり、龍は市民になじみ深い存在だ。

龍舞は、とりわけソンタイやタインチ、チエウクックなどの地区で盛んに見られ、伝統文化の保存という観点からも貴重な存在となっている。