三菱重工、新工場でボーイング機の乗降扉生産を開始

三菱重工業は22日、同社が全額出資するベトナムの民間航空機生産会社、MHIエアロスペース・ベトナム(MHIVA=本社・ハノイ)で、米ボーイング社の大型旅客機777の乗降扉の生産を始めたと発表した。ハノイ郊外のタンロン工業団地に新工場が完成、従業員約300人での製造体制となったことで実現した。

新工場は建屋面積が約6500平方メートル。生産体制の整備と拡充の一環として行われていたもので、既存のMHIVA本社工場(同4500平方メートル)に増築した。
 
777機の乗降扉の生産は、三菱重工の名古屋航空宇宙システム製作所から移管。当面は構造組み立てから稼動をはじめるが、近い将来、さまざまな装備や配線などまで同工場で仕上げて出荷できるようにする。

MHIVAではこれまで、ボーイング社の小型旅客機737型機むけに、主翼のインボードフラップ(航空機の揚力増大のための部品)をつくっていた。その生産がこのほどのべ1000機を超えたことから、新工場の稼動とあわせて、この日、記念式典が開かれた。式典には在ベトナム日本大使館の永井克郎公使、在ベトナム米国大使館のマーク・ランバート臨時首席公使、計画投資省のドー・ニャット・ホアン外国投資局長らが出席した。