消費者物価指数 11月は前月上回る予想

原油価格下落に加え、市場への食料品の安定供給が、このところの消費者物価指数(CPI)の安定に貢献している。ベトナムの10月のCPIは前月比0.11%増、2013年下半期と比べても2.26%増にとどまり、2005年以来もっとも低い伸び率だった。11月は10月の数字をやや上回ると予想される。

安定したCPI
商工省の国内市場マネジメントチームによると、2014年10月の小売とサービスによる収益は、総額251兆1950億ドンで、9月と比べ1.56%上昇。10カ月の収益総額は、前年同期比11.14%増の2399兆ドンに達した。価格上昇分を除くと、2014年1-10月のCPIは、2013年に同じ時期より6.4%高かった。

1-10月でみると、教育分野でのCPIは8.18%増、飲料、たばこ、衣類その他の商品やサービスの分野では2.69-3.04%にとどまった。逆に、前年同期比で減少したのが郵便・通信と建築資材の2部門で、郵便・通信事業は0.41%減、建設資材は0.23%減少した。

統計総局のグエン・デュク・タン価格統計局長は、2014年のCPIが2005年以来最も低かったことを指摘し、その理由について「安定したCPIは、国内市場に消費財の供給が十分にあったことと、石油や液化ガス(LPG)の価格が下がったことが理由」と述べた。

農業・農村開発省の農林水産加工・貿易・塩製造局のド・チュイェ・マイ次長は、「食品や食材供給がここ数カ月間、安定していた」と説明。また、家畜の繁殖事業の収益性が依然として高く維持され、家畜の疫病もコントロールされていたことから、「これが農家の畜産継続を促し、豊富な食料供給につながった」と分析した。

11月のCPIは10月を上回る予想
国内市場マネジメントチームは、11月のCPIは10月を上回ると予想。肥料や建設資材の需要が伸びると見られるが、供給も安定しているので、価格変動はさほど大きくならない見込みだ。統計総局のグエン・デュク・タン価格統計部長は11月、12月ともCPIは少し上昇し、年間を通じてのCPI増加は4.4-4.5%になるとの見込みを示した。

財務省価格管理局のグエン・トゥイ・ニャ次長は「地域や企業はもう間もなく、旧正月(テト)の準備に入り、この間、商品などの需要が増えると予想される。そのため、商品価格の変動、特に生活必需品の価格上昇に注意しておく必要がある」と指摘した。商工省は財務省と協力して各自治体に便乗値上げなどのないよう、市場調査を徹底するよう指示した。

産業貿易省のド・タン・ハイ副大臣は、「今年の年末の数カ月間は、国内経済が成長を続けるだろう。市場の商品需要はテト前からテトにかけて高まるだろう。そこで、必要に応じて生産を加速するなどの対策をとり、市場に安定して商品を供給する体制を整え、インフレを抑制することが、重要だ」とした。