ベトナム水産輸出加工協会は(VASEP)のチュオン・ディン・ホア理事長は、2014年の1~9月のエビの輸出額が、前年同期比42%増の約29億㌦(約3415億円)に達し、年末には38億㌦(4475億円)に達する見込みとなったことを明らかにした。

近年、ベトナムは、米国への冷凍エビの最大の輸出国になっている。とりわけ今年は、エビの大量病死に見舞われたタイや中国の低迷によって、バナメイエビの輸出高が急増している。多くの国々が、他の国のものからベトナム産バナメイエビ輸入へとシフトしており、エビ養殖業者は市場拡大のチャンスを迎えている。

日本や米国、欧州といった主要マーケットは、今後もバナメイエビの輸入を拡大するとみられる。今年の年初来9カ月のバナメイエビの米国への輸出高は、前年比66%増の6億9000万㌦(約663億円)。ブラックタイガーは、同19.3%増の1億9900万㌦(約216億円)。2位は日本で、ベトナムのエビ輸出全体の18%を占めている。EU諸国への輸出も急増しており、全体の16.9%を占めている。このほか、ドイツ、豪州、韓国への輸出も増加している。

好調な数字を記録するベトナムのエビ輸出だが、VASEPによると、米国への輸出は、問題に直面している。9月19日、米国商務省は2012年2月1日から2014年1月31日の期間、ベトナムのエビ輸出に対して過去最高の6.37パーセントの反ダンピング税を課した、と発表した。これは、米国への輸出の第4四半期の数字を直撃しそうだ。また、ベトナム産冷凍エビから基準値を超える抗生物質が見つかった日本においても、水際のチェックが厳しくなる。こうしたなか、ベトナムは、インドネシアやインド、エクアドルといった国々との競争に直面することになりそうだ。

チュオン・ディン・ホア事務局長は、「生のエビの価格に関しては、世界的な供給不足からまだまだ高値が続くだろう。今年、ベトナムのバナメイエビの生産池の総面積は9万3316㌶に増え、供給量は40万㌧以上が見込まれ、需要を十分まかなうことができるだろう」と話している。