企業の9割「2015年も安定」と経済回復に手ごたえ ベトナム・リポート社調査

ベトナム・リポート社が2014年11月にベトナムの主要企業を対象に行った調査で、回答企業の約6割が「経済回復の兆候がある」と答えた。さらに95%は2015年の業績も安定するとの見通しを示しており、新年のベトナム経済の回復への期待感が明らかになった。

同社は毎年、ベトナムの主要企業500社の情報をまとめた企業報「VNR500」を発刊しており、今回のアンケート調査はその2014年版の材料収集のために行った。

それによると、収入、利益、生産性、受注数量などの指標が、2013年に比べて「改善あるいは増大した」と回答した企業が、全企業の64.3%にのぼった。「ビジネスが安定している」とした企業が28.6%で、前年に比べて「業績が悪化した」と答えた企業は、全体の7.1%にとどまった。また、95%が2015年の経済活動について「基本的に安定しているだろう」との明るい見通しをもっており、収入や利益、受注数などについても楽観視していることがわかった。

2014年のベトナム国内の新規創業は大幅に増大した。統計総局のデータによると、2014年11月の新規創業企業件数は7767件 で、登録された総資本は38兆8000億ドンとなった。これは、企業数でいうと10月比13.7%増、金額では同20.8%増だった。

11月の企業の登録資本の平均金額は50億ドンで、前月より6.3%増加。新規創業とともに新たな事業分野への進出、一度中断していた業務の再開などの件数も増加しており、ベトナム経済の回復における景況感を反映した。中断していた業務を再開させたのは1205社(10月比6.5%増)で、 2014年の1―11月に業務を再開した企業総数は14208社だった。

ベトナム国家金融監視委員会によると、2014年11月の生産と経済活動はすべての分野において回復傾向が続いた。工業生産指数が成長したのに加え、香港上海銀行(HSBC)から発表され、国の経済の健全度を反映するとして注目される購買担当者景気指数(PMI)も、11月は50を上回った。

さらに注目すべきは、一般からの投資が増加したことだ。2014年8月に行われた調査では、対象世帯の約24%が生産活動に投資したいとの意向を示した。国家金融監視委員会によると2013年8月と比べ18%増、2014年の年初に行われた別の調査と比較しても7%増えていた。

ベトナム・リポート社はこの調査を踏まえ、「政府は、マクロ経済の安定性を維持し、インフレを抑制しながら、正確にビジネス展望を予測する努力を続ける必要がある」とした。それがベトナム企業の長期的な投資計画作成を可能にし、リスク回避を促し、さらには2015年も生産活動や事業規模が維持・拡大されることにつながっていくと指摘した。