マクドナルド、苦戦 家族層とりこめるか

マクドナルドはベトナム進出1周年のタイミングで、2月初めに4番目の店をオープンした。しかし、本拠地・米国同様、苦戦を強いられている。

世界最大のファーストフード会社・マクドナルドの売り上げは昨年11月、4.6%減となった。これは、2001年6月以降、ワーストの数字となった。昨年には、ベトナムでの1号店がオープンしたが、当初の興奮はもはや冷め、店の前の長い行列も見られなくなった。

はたして、ベトナムの消費者は、ふだん食べているフォーの4杯分の値段のファーストフードに、喜んでお金を支払い続けるのだろうか?ある納入業者は、同社の将来的な伸びを信じつつも、「初年度は期待以下だった」と打ち明ける。

大手飲食料業者の物流面のコンサルティングを行うある会社のディレクターも「マクドナルドは昨年、ベトナムに初進出したが、2014年のファーストフード市場は予想に反する数字となった。もはや行列に並んでまで欧米式のライフスタイルを楽しもうというムードはなくなった」と指摘。「われわれが昨年手掛けた飲食料業者のほとんどは、ベトナムレストラン、日本レストラン、韓国レストランだったということは興味深い」

業界ウォッチャーたちは、この問題は、ベトナムの地方の人々の味覚や収入に関係しているのかもしれない、とみる。一例を挙げると、マクドナルドのメニューは牛肉を材料にしたハンバーガーがメーンだが、ベトナム人はむしろ豚肉と鶏肉の味になじんでいる。

ベトナムでは人口の65%が、マクドナルドがターゲットエイジとしている35歳以下だ。ベトナムの家族連れが週末に行きたくなるような店へと転換していけるかどうか。それが、マクドナルドにとって、今後の課題となる。

VFフランチャイズ コンサルテーション カンパニーのセアン ゴ・所長は「マクドナルドは、今後10年間に100店をオープンするという案を含む、ベトナムでの長期計画を検討している」としている。