「ベトナム製品購入キャンペーン」海外でPR強化へ トア商工副大臣インタビュー

国内で実施している「ベトナム製品購入キャンペーン」の海外PRに期待が高まっている。ベトナム・エコノミック・ニュース(VEN)が、商工省のホー・チー・キム・トア副大臣にインタビューした。

――5年継続されてきた「ベトナム製品購入キャンペーン」だが、国内だけでなく、海外へと展開が広がっている。その成果は?

 

トア副大臣:ここ数年間で、ベトナム製品は国内消費者の信頼を徐々に勝ち取り、さらに、同時にベトナム人コミュニティーを含む海外の消費者の信頼をも得た。ベトナム製品はその手ごろな価格、製品の多様さと高い品質で、海外で知られるようになった。

品質のよいベトナム製品を買いたいという海外在住ベトナム人の願いに加え、海外市場の開拓も考慮し、商工省(MoIT)は過去数回、海外においてベトナム製品購入キャンペーンの情報PRや販売促進イベントを展開してきた。2011年以来、フランスとドイツで「ベトナム製品週間」を実施したほか、「ベトナム・ビジネス・フォーラム」がオーストラリア、ドイツ、フランス、イタリアや日本で開催された。これらの活動は、ドイツで約10万人、フランスで約50万人といわれる在外ベトナム人コミュニティーの注目を集めた。彼らの前向きな反応は、ベトナム国内企業の海外向けの製品販売を促した。

――従来の国内流通網に加え、ベトナム製品が外資系小売り大手のビッグCやメトロなどの陳列棚に並ぶようになった。このチャンスを生かし、ベトナム製品の市場拡大のために、国内のメーカー各社は何をすべきか?

トア副大臣:ここ数年のベトナム企業の努力により、ビッグCやメトロ、ロッテマートといった世界的流通企業にベトナム製品が浸透し、すでに、これらの流通網を通じて、ベトナム製品は世界中の消費者に届けられている。調査では、ベトナム製品がこれらの企業の在庫の約90-92%を占めているという。

例えば、ビッグCによるベトナム製品の輸出額は、2012年に2100万ドルだったのが14年には2700万ドルにまで増え、さらに今年は3000万ドルまで拡大すると見込まれる。同社が海外輸出したベトナム製品は、商品供給先約60社から仕入れた800種類以上の品目に及ぶ。また、同社グループはベトナム内外において、ベトナム製品輸出のためのさまざまな販促活動を展開してきた。例としては、商工省と共催で2011年11月と14年9月の2度にわたり「ベトナム製品週間」をフランスで行ったことや、ベトナム高品質製品事業協会がベトナム製繊維や衣類の欧州輸出促進のために2012年3月にホーチミン市で企画したワークショップなどへの協力が挙げられる。

大手流通のメトロも、ベトナム製品の輸出を実現しており、その総額は2012年に2800万ドルだったのが2013年には5000万ドルにまで膨らんでいる。同社もまた、商工省との連携を密にしており、2012年6月と14年6月の2度、ドイツにおける「ベトナム製品週間」を展開している。

外資系大手流通網の協力によるベトナム製品の市場拡大を有効活用するために、ベトナム国内企業は今後、次の点に集中する必要がある。①生産能力の向上と競争力強化、ベトナム製品の流通販売促進 ②IT活用やオンライン販売などの商業活動の導入・促進 ③輸出先国の要求する商品品質について積極的に学ぶ姿勢をもつ ④海外のベトナム系企業団体を通じた海外市場についての情報収集 ⑤ベトナム国内外の企業フォーラムや会議などでベトナムの最高水準の製品をPRする ⑥ロッテやメトロ、ビッグCなどの外資系流通大手が展開するベトナム商品週間などに参加する ⑦高品質で多様な製品を手ごろな価格で提供できるよう製品の品質改善の努力を行う――などだ。

――海外在住ベトナム人らにベトナム製品の購入を促すための今後の計画は。

トア副大臣:「ベトナム製品購入キャンペーン」からさらに成果を得るために、商工省はキャンペーン中央推進委員会や首相通達24/CT-TTg 、634/QD-TTgなどによる計画のもと、関係機関の責務の遂行を監督し、実施のスピードアップを図る。海外では、それぞれの国のベトナムフォーラムを通じてキャンペーンを展開し、全体的に海外でのベトナム製品販売を加速させたい。

世界の市場でベトナム製品の存在感を増大させるだけでなく、海外の消費者がベトナム製品を気軽に手に取れるようにするために、国家貿易促進プログラムが今後は、国内企業の生産能力に見合った製品と市場づくりに焦点を当てるべきだ。