ベトナムのマグロ輸出落ち込む 主要国で需要が減少

ベトナムからのマグロ輸出が今年に入って減少を続けている。ベトナム水産物輸出加工協会(VASEP)によると、主要輸入国で消費が落ちていることが主な原因という。

同協会の統計によると、今年1月のマグロ輸出は前年同月比22%減の3300万ドルだった。輸出の減少傾向は、2013年に前年比7.2%減の5億2700万ドルになったことに始まり、2014年も8.1%減少。輸出額は4億8400万ドルとなった。

主要輸入国である日本や米国、EUなどでマグロ消費が回復する兆しが全く見られないことから、今年上半期の輸出も困難な状況になると専門家らは予測する。また、高い関税率がマグロ輸出業者らの競争力を損なっていると指摘する。

さらには、輸出先市場が、高い品質に加えて原産地国や国際基準を順守したマグロ漁法の実施などの証明を求めることが増え、ベトナムにとって大きな課題となっている。

VASEPでは、品質の管理と、マグロの資源利用に関する情報収集がベトナムの弱点となっていると分析し、輸入国の求める高い要求基準を満たすための今後の課題としている。

マグロの輸出でベトナムの競合国となるエクアドルやフィリピンといった国々が、今年に入ってEUとマグロの輸出関税をゼロとする協定を締結したことも、ベトナムのマグロ輸出のハードルを上げることになりそうだ。

一方で、ベトナムにとっての追い風となるベトナム-EU間の自由貿易協定(FTA)の締結完了も近づいている。専門家らは、準備を怠らず、輸出拡大につながる機会を逃さないよう、関係企業や団体に呼びかけている。