ベトナムのIT産業躍進 世界の〝ハイライト〟と高評価

ベトナムでは最近、IT(情報技術)産業の発展が目覚ましい。経済誌フォーブス・ベトナム版が、ベトナムを新たな雇用を生む「世界のITのハイライト」と評価するなど、海外からも注目が高まっている。

近年、経済が力強く成長してはいるが、ベトナムは新しい市場であり、2013年の一人当たりの所得はまだ約1740ドルだ。ホーチミン市などの都市では、多くの人々が物価の高さに悩まされている。

しかし、IT関連の企業に勤める人材は、その2倍以上も高い平均所得を得るなど、ITは今や、ベトナムの花形産業だ。

そんなIT業界の人材だが、収入だけに高い関心をもっているのではなく、むしろ自分たちのキャリアを重視していることが、IT関連の人材派採用サイトを運営するITビュック社の調査で分かった。

同社がIT関連の労働者500人にアンケートを行ったところ、その多くが「パソコンが好きだから、この分野の仕事を選択した」と答えており、約50%がIT業界で働くことが「楽しい」としている。安定的な収入のためにこの分野の仕事を選択したという回答は、全体の12%に過ぎなかった。

ベトナムのIT通信サービスは、発展し続けており、雇用の機会もどんどん拡大している。特に、ソフトウエアのアウトソーシング事業やプログラム開発などのプロジェクトの発展が目覚ましい。いくつかの会社では、スタッフが個人で自社株を所有することもできるなど、新しい試みにも柔軟だ。

「外国の会社・企業で働きたい」と考えるIT人材も多い。外資系IT企業には、クリエイティブでオープンな環境があるからで、実際に多くの会社では、ベトナムの文化と外国文化を結びつけて成功している。

IT通信会社の間の競争も厳しくなっている一面もあるものの、ベトナムのハイテク労働市場は今後もますますダイナミックさを増していきそうだ。