第1四半期の鉄鋼消費が25%増加 建設市場の活性化で

ベトナム鉄鋼協会(VSA)に加盟する企業によるベトナム国内での鉄鋼消費(販売量)が、今年の第1四半期に250万トンに達した。昨年同期比で25%増だった。

国内鉄鋼産業の第1四半期の生産量は、前年同期比17%増で270万トンだった。消費された鉄鋼の約50%以上(129万トン)は建設用鉄鋼で、前年同期比10.5%。特に3月の建設用鉄鋼販売の伸びは顕著で前月比160%増の約65万トンと急増した。前年同月比でも14.4%増えている。

第1四半期のベトナム国内総生産(GDP)は前年同期比6.03%増で、工業・建設部門も8.25%の伸びを記録していることから、グエン・バン・スアVSA副会長は「市場全体が第1四半期、特に3月に拡大したことが鉄鋼消費増大の要因」と分析した。

VSAによると、ベトナム政府は国の経済発展を下支えするために、不動産市場を含めた建設業界と建設資材販売の市場の活性化を図っており、これが鉄鋼消費を促す結果となっているという。

堅調な国内消費に対して、第1四半期の鉄鋼輸出は39万162トンで、昨年同期の39万2132トンに比べ、やや減少した。

専門家らは、今後、ベトナムと各国との自由貿易協定(FTA)が締結されることで、鉄鋼業界に大きな変化がもたらされることになるとみており、ベトナム国内に輸入される鉄鋼の品質管理の準備を始めるよう、VSAや各省庁と関係部署などに促している。また、国内鉄鋼業の保護のためには、保護施策も必要であることを指摘している。

一方で、ベトナムの鉄鋼関連企業にも、より効果的な市場統合が果たせるよう、経営努力を怠たらず、技術革新と競争力を磨く必要があると呼びかけている。