ベトナムで存在感増す日系企業 2015年第1四半期は2億9436万ドル投資

中小を含めた日本の企業がここのところ、ベトナムの製造業、加工業、小売業などへの投資を加速させ、存在感を増している。計画投資省の第1四半期の報告書で明らかになった。

詳細をみると、2015年第1四半期の日系企業によるベトナムでの投資は81件にのぼり、総投資額は2億9436万ドル。このうち新規投資は1億3698万ドル、既存の案件への追加投資は1億5738万ドルだった。

日本からの投資で最も多いのは製造・加工業で32件あり、総資本金は1億7576万ドルだった。これに不動産業が4件(6673万ドル)、小売業が12件(423万ドル)と続いた。

製造・加工業で、特に重要視されているのが、京セラベトナムのケースだ。同社は紅河デルタ地方のフンイエン省に通信機器や携帯電話機の製造拠点を設置するため、5958万ドル規模の投資を行っている。

化粧品の製造販売を展開するマンダム(大阪市)は、自社商品の輸出入とベトナムでの卸売、小売販売の展開のために大規模投資を実施した。同社はマンダム・ベトナム(ホーチミン市)の設立により、ベトナム国内での化粧品販売を加速するとともに、インドシナ地域全体への市場拡大も視野に入れる。

日本最大級の小売販売業イオングループは、ハノイ、ホーチミン市、ビンズオンに直営のショッピングモールを開設したのに続き、今年2月、ベトナムの小売企業の買収によって、ベトナム市場にさらに存在感を示した。買収したのは、ハノイで20店のスーパーマーケットを展開するフィビマートと、ベトナム南部では最大のスーパーマーケット運営会社、シティマートで、同社は27社の店舗網をもつ。これら2社はベトナム国内の小売業界において小さくない知名度と市場占有率(シェア)を誇っており、イオンにとっては有益なチャンスの提供となった。

これ以外にも、日系中小企業も約1500社がベトナム国内で積極的な事業展開を行っており、日系企業のベトナムでの躍進の一役を担っている。