アジア開発銀、2015年のベトナムGDP成長を6.1%と予測

ベトナム政府が現在の金融政策と財政拡大を維持し、リストラ改革を加速した場合、2015年のベトナムGDP(国内総生産)成長は6.1%に達するとの見込みを、アジア開発銀行(ADB)が発表した。

同銀行の「アジア経済見通し(ADO)2015 年版」で、ベトナムの展望を公開した。2016年のGDP成長予想は6.2 %だった。

この見通しで、ベトナム経済の成長に重要な役割を果たすとされているのが、外国直接投資(FDI)だ。計画投資省外国投資局のデータによると、2014年のFDI資金はで156億ドルにのぼり、展開中のプロジェクトにも46億ドルの追加資金が投入された。

部門別でみると、製造業がベトナムの経済成長の原動力になると予想。化学薬品、綿花、プラスチックなどを含めた原材料購入の増加が製造業の躍進を示すと同時に、最近ではFDIと公共投資に後押しされた建設業の伸びも著しいとした。

国内需要と世界の原油価格が上昇した場合のインフレ率についても言及されており、2015年には2.5%増、2016年には4%まで上昇するとみている。

ADBはまた、ベトナムの財政が引き続き拡大しているのは、2015年の財政赤字の対GDP比率が5%と予想されているためであるとし、2016年もこの水準が維持されると予測している。財政赤字は裏返せば公共投資の促進を意味しており、ここ2年間は連続で減少していたが、今後は20%の上昇に転じる予想だ。通常の財政支出も10%増える見込みで、なかでも医療費の増加が11%、教育関連費が5%増加するとみられる。

アジア経済見通しの勧告によると、政府は国家予算の収入目標を達成するのは困難であるようだ。企業税収の低下、関税の減免や免除など国家収入への影響が考えられるからで、原油価格の低迷も今後、資源税や企業税の税収額減少につながると予測されている。