ハノイ市西部に開設が進む「ホアラック・ハイテクパーク」のインフラ整備工事の着工式典が6月26日行われ、グエン・タン・ズン首相らが出席した。日本の政府開発援助(ODA)約4億ドルなどを投入し、2018年の完成を目指す。

写真㊤=スピーチをするグエン・タン・ズン首相
ベトナム政府からは、ズン首相、各省庁の代表者らのほか、レ・カ・フュー元共産党書記長、ファム・ザ・キエム元首相らも着工式に参加した。

式のスピーチでズン首相は、科学技術省および各省、ハノイ市などの努力を高く評価。「このハイテクパークは研究や科学技術の開発移転が目的で、今後大きく発展するだろう」と期待を示した。また、「よい人材や高い科学技術をもち、近代化しなければ、国際的に競争ができず、国の成功発展もない」とその開発意義を強調した。

 

このような考えのもと、ベトナム政府がホアラック・ハイテクパークの開発を決定したのは実に17年前(1998年)のことだ。開発の計画から大幅に遅れてはいるが、一定の成果をあげており、現在は約70件のプロジェクトが認可され、登録投資総額は約60兆ドンにのぼり、約1万人の雇用を生んでいる。

2010年からは日本の国際協力機構(JICA)などが同プロジェクトに加わり、2012年3月にはベトナム財務省とJICAが第1回の融資契約(約152億円)を締結した。第2回の融資契約は2016年ごろの予定で、約300億円となる見込み。

今回のインフラ整備工事の主軸となるのは、道路や橋などの整備、下水整備、通信網の新設、給排水システムの整備と配電システムの整備。タンサ湖の水質改善やズァガイ川の環境保全のための排水プラント建設なども含まれる。受注企業は、日本の大成建設、ベトナムのビナコネクス(Vinaconex)社、チュオンソン建設など。