ベトナムの畜産や食肉加工の分野に4500万ドル追加支援 世界銀行

世界銀行(WB)の取締役会はこのほど、ベトナムの畜産の技術や競争力向上と食肉の安全衛生の強化のために、4500万ドルを追加で供出することを決めた。

プロジェクトの目的は、TPPの締結で大打撃を受ける可能性が指摘されている養鶏・畜産業界において、各農家単位での生産を効率化し、環境に与える影響を抑え、生産と消費を適正に調整することだ。同時に、食肉の安全衛生の強化も目指す。

適正な畜産や繁殖方法の導入で、家畜や家禽の死亡を減らすことが可能になり、各農家の生産や収入が高まる。そして、先進的な方法をとることも、繁殖時間の短縮につながり、動物用飼料の費用も下げ、生産量と利益を高めることができる。

今回は124カ所の小規模の食肉処理場なども改善や検査、細菌検査などを行い、食肉の安全性の向上も目指す。また、中規模や大規模の食肉処理場も支援対象とし、国家食品安全基準にもとづいた処理工程の実現なども徹底する。これまでに、プロジェクトではすでに300カ所の食品安全衛生基準や食肉販売市場の管理などを改善して、食糧供給サプライチェーンの食品安全を高めてきた。

プロジェクトは当初、2009年9月22日に許可され、これまでに世界銀行の傘下にある国際開発協会(IDA)が6526万ドルを供出したほか、ベトナム政府が1377万ドルを計上している。