ライチ、発売直後に完売 豪州市場でも高い人気

新たなベトナムの輸出産品として期待されるライチがこのほど、豪州に初めて輸出された。在豪州のベトナム貿易事務所によると、現地に到着したライチは、販売促進イベントの効果もあって、店頭で飛ぶように売れる人気となった。

写真㊤=スーパーの店頭で販売されるベトナム産ライチ
現地のベトナム貿易事務所のグエン・ティ・ホアン・チュイ氏は「ベトナム産ライチの、市場でのライバルは中国産ライチだが、ベトナム産のものは品質や鮮度、色彩、輸送速度の面で評判がいい」と話す。さらに、「豪州には30万人のベトナム人が暮らしており、ベトナム産ライチ普及の大きなかぎとなる」と期待している。

同事務所では、ライチ輸入後、販売促進から普及活動まで力を入れている。このほどメルボルンで開催された記念販促イベント「ベトナム・ライチ・デー」には、大勢の人が訪れ、店頭に並べられたベトナム産ライチ300㌔が、1時間で完売した。

今回の成功は、将来的に、多様なライチ製品の輸出にも道を切り開くことにもつながりそうだ。今後も、豪州の品質基準を満たす、厳格な品質管理を続けていくことが重要なポイントになりそうだ。

「ただし、豪州市場で競争力を高めるには、値段をもっと安くする必要がある」とチュイ氏。第一に、ライチの栽培地は北部だが、殺菌や梱包施設は南部にある。輸送の面では非効率的な構造となっている。国内で余分にかかる輸送費は、そのまま値段にもはねかえり、中国産ライチとの競争力が低下する。将来的には、栽培地に近い北部での殺菌、梱包施設の整備が不可欠となりそうだ。

さらに、ライチの鮮度を保つための最新技術や、輸送手段のコストダウンも重要な課題だ。ライチを空輸して海外市場に届ける輸出業者もまた、コストダウンに苦心しており、航空会社に対して、料金の値下げや割引を求めている。