スタバが認めた味と品質 ダラットコーヒー、世界へ

米コーヒーチェーン最大手のスターバックスは、ベトナム中部山岳地帯に位置するラムドン省のダラット市で産出されるアラビカ種コーヒー豆の販売を米国内で開始した。同社ウエブサイトによると、世界56カ国、2万1500を超す店舗で販売される計画。

写真㊤=スターバックスで販売が始まったダラットコーヒー
ダラットコーヒーは、「個性豊かで質が高く、非常に少量しか手に入らないコーヒー豆」のみを扱う「スターバックス リザーブ」の商品の一つとして、1㌔50㌦(約6200円)で限定販売される。

スターバックスのレスリー・ウルフォード・上級コーヒースペシャリストは、「初めてコーヒーのサンプルが届いたとき、その品質に感激した」と同社のウエブサイトで語っている。その独特の味わいについて、「明るくさわやかな酸味、コーラ(コーラ飲料の原料で知られるアオイ科の植物)、トフィー(キャンデーの一種)、そしてバニラの香りを併せ持っている」と称賛している。

スターバックス・ベトナムのパトリアシア・マーキス・ゼネラルマネジャーは「ベトナムには、長いコーヒーの歴史がある。フルボディの強くて濃いコーヒーを、仲間とおしゃべりしながら、屋外に座って、ゆっくりと楽しむのがベトナム流」とウエブサイトで紹介している。「スターバックス リザーブ」には、ダラットコーヒー以外にも、6種のアラビカ種のコーヒーが選定されている。

「常春の都」と呼ばれるダラット市は、避暑地としても有名。コーヒーは、1800年代にフランス人が地元にもたらした。火山特有の土質と高地の涼しい霧が、コーヒー栽培に非常に適し、品質の高いコーヒーを産出してきた。今では、ベトナム有数の産地となり、比較的標高の高いところで採れるアラビカ種に限ると、国内唯一の生産地という。

インスタントコーヒーの原料などに使われるロブスタ種コーヒーの輸出大国となっているベトナム。今度は、アラビカ種で世界的に有名な産地となりそうだ。