ベトナム製IT家電、健闘 BPhoneなど人気機種登場

若者でにぎわうスマートフォンショップ。ベトナム製の健闘が目立っている

アップル製など外資中心だったスマートフォン(スマホ)などのIT家電分野で、ベトナム国内企業の健闘が続いている。ブランド力や資本規模においては、まだまだ劣るものの、マーケティング戦略次第では、国内市場の一角に食い込めることが証明された

ベトナム製IT製品の中で今、最も注目されているのは、ウイルスセキュリティー業界大手のBKAV (Bach Khoa Anti-virus Center) グループが発売した高級スマホ、BPhoneだ。発売以来、OSやカメラソフトウエアの不備で3000件のリコールがあり、商品発送の遅れも出たが依然、ベストセラーの人気を誇っている。オンラインで発売開始からわずかな期間に1万2000台の注文があった。
ソーシャルメディア「ブーメラン」の出資者でマネージング・ディレクターのボン・タン・クオン氏は、「BPhoneに関するコメントは76万8542件。その数はiPhoneの3倍にのぼっている」と話す。
当初36%だった製品に対するネガティブな反応は、リコールなどが続いた後、58%にまで跳ね上がった。しかし、ネガティブな反応をしているほとんどはコアなマニアで、一般のユーザーはBPhoneを気に入っているという。
BPhoneの成功は、的確なマーケティング戦略と高品質の製品さえあれば、ベトナム製のハイテク製品でもよく売れる、ということを証明した。
「ベトナム人は国産品に背を向けているわけではない。リーズナブルな値段と適正な品質を備えてさえいれば、購入する」とクオン氏は話す。
ベトナムでは人気の国産スマホブランド、「モビースター(Mobiistar)」も健闘している。スマホチェーン店のFPTショップからの報告によると、モビースターは同ショップで最も売れている機種のベスト3にランキングされているモビースターは、プロモーション活動の一環として、人気ミュージシャン、ファム・アン・コアとコラボすることを決めた。
アンドロイドとiOS対応のモバイル機器用ヘッドセット「ジーオーディオ」(Gee Audio)も人気を呼んでいる。
販売店のフォン・ジー(Phon Gee) ショップのマイ・フ・ホン店長によると、アップルとサムスン対応のヘッドセットの相場は80万ドン(約4300円)。これに対し、ジーオーディオの製品は、100万ドン(約5300円)もするが、ユーザー満足度は高いという。アナリストは、ベトナム製品にとって必要なのは消費者の信頼を勝ち取ることだと指摘する。