急落した米国向けエビ輸出量 今年年末には回復の見通し

為替の変動が影響して落ち込んだ米国向けのベトナムのエビ輸出量が、今年末ごろには回復する見通しだという。関税が低いことなどから商品供給が増えているという。ベトナム水産物輸出加工協会(VASEP)が明らかにした。

同協会によると、為替の影響で今年はじめ、輸出量が増えているにもかかわらず輸出額が減少する事態となり、ベトナム産のエビ輸出が急速に縮小した。
協会の見立てでは、依然としてドル高や市場での激しい競争などの要因があり、回復はするものの劇的な増加にはならない見込みだ。2015年の米国へのベトナム産エビの総輸出額は約6億3800万ドルと予想されているが、これは前年に比べると約40%減になる。
米国はベトナムのエビの最大の輸出先で、国内生産量の約20%を輸出。その米国向けの輸出がベトナムの輸出先トップ3カ国の中でももっとも激しい落ち込みを見せた。今年年初から7月15日までの統計によると、北米向けのエビ総輸出額は昨年同期比約50.8%まで急落。金額ベースで輸出額は約2億8460万ドルにとどまった。
その他の国々への輸出も、日本(同期比約18.6%減)、欧州連合EU(同15.2%減)、韓国(同26.1%減)と軒並み縮小している。
1~7月の期間中、エビ全体での輸出総額は14億ドルで、前年同期と比べると28.1%の減少となった。このうち、クルマエビの輸出が29.2%減少して8億2420万ドル(前年同期比29.2%減)、ブラックタイガーは4億6020万ドル(同30.2%減少)だった。