「ベトナム女性の日」 流通各社が顧客囲い込みで商戦過熱

10月20日の「ベトナム女性の日」を中心に、この時期、ベトナム国内では流通各社によるプレゼント商戦が過熱している。男性客にギフト商品を提案するだけでなく、女性限定サービスの提供などで、女性の顧客の囲い込みにもつなげている。

ベトナム女性の日の特設売り場で買い物をする人々(フート省のコープマート)
「ベトナム女性の日」は、ベトナム女性の地位を向上させるために設けられた記念日。ドイモイ以降は、男性が妻や恋人、母親や同僚など身近な女性に贈り物をする習慣ができた。そこで毎年この日を前に流通各社が競って消費者の購買意欲を刺激するようなキャンペーンなどを展開している。

プレゼントとして、今も昔も変わらず一番の人気なのが花だ。バスケットなどに詰めたフラワーアレンジメントなど、店頭での商品も豊富にあり、数十万ドンの手ごろなものから、百万ドンを超える豪華なものまで幅広くそろう。

ホーチミン市3区にある繁華街、ハイバーチュン通りの生花店では、ギフト商品の主流が20万―30万ドン(8.9-13.3ドル)のフラワーアレンジメントだという。50万ドン(22.3ドル)の商品も用意はあったが、注文は数個だけだったといい、「価格が普段に比べて大幅に上昇しているということはない」と話す。

大型スーパーマーケットやショッピングモールでも、ベトナム女性の日の数週間前から、さまざまなキャンペーンを行っている。

例えば、フランス資本のスーパー、ビッグCでは、全国に31か所ある系列のアウトレット店で、「ベトナム美女を称えよう(tôn vinh vẻ đẹp Việt)」と銘打つキャンペーンを展開。来年の3月まで、スキンケア・ヘアケア商品、化粧品、ファッション小物、アクセサリーなど、約200のブランドの1000種類以上の商品を、最大49%引きの価格で提供する。同店では、かわいらしいデザインの箱やバスケットなどに詰め合わせたギフト商品も、3万7900ドンから20万6500ドンで展開して男性にアピールする一方、女性の買い物客を対象とした化粧品やスキンケア、ヘアケア商品などの無料相談も展開している。

韓国系スーパーのロッテマートも、10月26日までの期間限定で、1200種類以上の商品を値引きした。ギフト商品は最も低価格のもので3万9000ドンからあり、100種類以上の品ぞろえを誇る。週末には女性客の来店をねらい、化粧品に特化した49%引きセールも行った。

SCビボシティのショッピングモールは、THE FACE SHOP, Sheryn, SkinFoodなどの化粧品ブランドと手を組み、10月17日から20日までスキンケアやメイクに関する無料相談会を実施した。また、20日のベトナム女性の日当日には、来店した女性客先着500人に、バラの花をプレゼントするという。

このほか、コープマートやマクシマートも男性向けに妻や恋人用のさまざまなプレゼントを提案するほか、女性をターゲットにしたプロモーションを行って女性買い物客の囲い込みや購買意欲の刺激もねらうなど、〝女性の日商戦〟はベトナム流通業界にとって重要なイベントになりつつある。

個人商店なども同じ傾向だ。ホーチミン市3区にあるグエン・ディン・チュー通りやレ・バン・シー通り、5区のグエン・チャイ通りなどでは、服飾店や雑貨店などが目立つ看板を掲げてベトナム女性の日をアピールし、商品の特別割引を実施している。また、スパやレストランなども女性顧客に焦点を当てて様々なキャンペーン企画を行っており、ベトナム女性にとってお得で楽しみの多い時期となっているようだ。