カシューナッツ輸出急増 農家育成などに基金創設へ

ベトナムカシューナッツ協会(The Vietnam Cashew Association 略称:Vinacas)は、2015年のカシューナッツの輸出量が30万㌧以上となり、金額にして22億5000万㌦(約2677億円)に上るとの予想を発表した。昨年の輸出額より10%以上の伸びとなりそうだ。

多くの海外市場で伸び

Vinacasによると、ベトナムの輸出業者による9月のカシューナッツの輸出は3万㌧、2億1800万㌦(約259億円)、今年1-9月合計は24万500㌧、17億8000万(約2118 億円)となり、輸出量では前年同期比7.8%、金額ベースで20.6%の増加となった。

Vinacasのグエン・ダック会長は「輸出額から見ると、カシューナッツは今、急成長著しい農産物の一つと言える」と話す。

現在、ベトナムのカシューナッツは世界70の国・地域に輸出されている。輸出先では米国が30%、欧州が25%、中国が15%と続く。「特に米国は、8月に10%も伸びている」(グエン会長)。

今年はさらに輸出量が昨年より増加する見込み。輸出業者の市場拡大の動きにもはずみがついている。農業農村開発省によると、今年前半のカシューナッツ輸出は、多くの市場で増加傾向がみられる。特に、オランダへの輸出は4600万㌦(約54億円)増加し、1億6720万㌦(約198億円)に。英国へは1500万㌦(約17億円)増加し、5660万㌦(約67億円)、カナダヘは800万㌦(約9億円)増加し、5100万㌦(約60億円)での増加となった。

助成基金の創設を

ベトナムはカシューナッツ輸出の世界市場を9年にわたってリードしてきた。しかし、商品の不足や輸出業者の過当競争、品質のばらつきなど、課題も残っている。

こうした理由からVinacasでは、農業農村開発省に対し、カシューナッツ産業の振興や生産農家の育成、輸出振興などを目的とする助成基金の創設を申請している。

グエン会長によると、基金は政府の補助金を主に、カシューナッツ輸出・加工業者から1㌧当たり1ドルを徴収し、毎年60万㌦を集めたいとしている。基金の70%は、カシューナッツの栽培や耕作、研究、農家の補助に充て、残る30%を技術開発は加工施設などに充てたいとしている。