ブランド価値トップ50発表 ビナミルクが1位に

英国調査会社のブランド・ファイナンスは、ベトナムの上場企業のうちブランド価値の高い上位50社を発表した。リストによると1位は乳製品最大手のビナミルク(Vinamilk)で、2位以下を大きく引き離した。

ビナミルクのブランド価値は11億㌦(約1300億円)で、2位のベトテル(ヴィッテル、Viettel)の倍近い数字。50社の総ブランド価値は55億㌦(約6540億円)に上り、ASEAN(東南アジア諸国連合)の中で最も価値の高いシンガポールのDBS銀行(44億㌦=約5230億円)を若干上回る数字となった。

ブランド・ファイナンスは、世界トップブランド500、トップ銀行500のほか国家価値のランキングなど、ブランドを中心に5万7000のリストを毎年発表しており、BBCやCNN、ブルームバーグ、エコノミスト、ウォール・ストリート・ジャーナルなどメジャーなメディアでも取り上げられている。

ベトナム企業を対象としたリストの発表は初。調査においては、ベトナムのコンサルティング大手、ミブランドも協力した。ミブランド・ベトナムのライ・チェン・マン社長は、今回のリストは、ブランド力がいかに大きな価値をもたらすかという新たな視点を、ベトナムでの株取引にもたらすことになったという。さらに、ブランド価値は即、お金に置き換えることができる価値にほかならず、今回のリストは経営者やマーケターが、ブランドに対するマネージメント意識を高め、ブランドイメージの改善を図っていくうえで助けとなるだろうとしている。

また、専門家は、ベトナムがTPPに参加し、さまざまな製品の関税が引き下げられることになったとき、ブランド力こそがベトナムの企業のその後の生き残りのカギになるだろう、との見方を強めている。

トップ50のリストにはビナミルクとベトテルのほか、FPT、ベトコン銀行(Vietcombank)、バオベット保険(Bao Viet insurer)などが入った。

ソフトウェアグループ大手のFPTは6位でブランド価値は2億3900万㌦(約280億円)で、ブランドのレイティングはAA+だった。

バオベット保険は17位で、ブランド価値は7900万㌦(約90億円)で、A+だった。

今回発表されたブランド価値は、付加価値や収益の創出力、クライアントの選択における影響力、サービスなどさまざまな基準から算定されている。