ベトナム南部のバリアブンタウ省の沖で、新たに海底油田のテーザックチャン(TGT)油田の採掘が始まった。10月30日にホアン・チュン・ハイ副首相らが出席して記念式典が開かれ、原油と天然ガスの採掘開始を見届けた。

写真㊤=テ-ザックチャン油田採掘の記念式典に出席したホアン・チュン・ハイ副首相(中央)とホアンロン関係者ら
この油田は、ブンタウ市の沖合約100キロ、16―1鉱区の大陸棚に位置する。ベトナム語で「白サイ」を意味するテ-ザックチャンと名付けられた。

ベトナムや海外の企業でつくる共同事業体であるホアンロンが管理し、この日、H5オイルリグ(石油採掘装置)を使っての本格的な採掘が始まった。ベトナム国営石油ガスグループとホアンロンが計画より80日前倒しでH5の運用にこぎつけ、当初予算よりも約3700万ドルが節減できたという。

H5を使うことで、1日あたり約2万バレルの原油産出が可能で、同油田全体での生産量は1日4万~4万2000バレルとなる見込み。年間生産量も最大約1156万バレルとなる。

式典に出席したハイ副首相は「国内外の提携パートナーと協力した新たな原油採掘事業の開始は、ベトナムのエネルギーの安定を保障し経済拡大につながる」と評価。同事業がベトナムの原油・ガス生産分野における競争力や生産性の向上、効率化などを促すことに期待を示した。

テーザックチャン油田の開発については、ホアンロンが2009年9月に開発計画を発表。グエン・タン・ズン首相が2013年に事業を承認し、H5オイルリグを使って石油と天然ガスを採掘する総額約3億2400万米ドルの大規模プロジェクトとなった。