ビナモーターの国有株売却 1月11日に実施

ハノイ証券取引所はこのほど、国が保有する「国有ベトナム自動車工業総合会社(ビナモーター)」の株式売却を1月11日に決定したと発表した。

ビナモーターはバスやトラックなどの製造大手で、ベトナム北部のバクザン省に自社の組み立て工場をもち、複数の関連会社や子会社などを持つ。

国は、保有する株式8558万株(同社の株の97.7%)を、一括で売却する。最低応札価格は1株あたり1万4612ドン(0.64ドル)で、総額は約1兆1500億ドン(約5110万ドル)となる。

今回の応札に関心を寄せている企業・投資家は数社あるという。入札に参加する条件としては、9260億ドン(4062万ドル)以上の株主資本があり、累積損失を計上していないことを挙げている。購入したビナモーター株は、5年間は譲渡できない。

ビナモーターの関連企業で、同社が21.6%(665万株)を保有するTMT自動車も、ビナモーター株購入に意欲を見せている1社だという。TMTは昨年、インドの大手自動車メーカー、タタ・モーターズと業務提携を結んだことなどから、株価が2014年の約3倍の1株約5万ドンに跳ね上がった。

ビナモーターは2014年、1兆ドン(4440億ドル)の株式資本を獲得するねらいで新規株式公開(IPO)に踏み切った。国の保有株の約51%を、最低落札価格1株1万ドンで売る計画だったが、関心を集められず、売却できたのは約3%の150万株にとどまっていた。