ベトナムの年間FDIは227億ドル、日本は第4位

ベトナム統計総局が発表した2015年の海外直接投資(FDI)は、新規案件と増資合わせて227億6000万ドルで、2014年比12.5%増となった。1年間で認可されたプロジェクト件数は、新件が2013件、増資が814件数だった。

年初から12月15日までの1年間で、FDIの新規案件は2013件で155億8000万ドルだった。件数では前年比26.8%増加したが、金額ベースでは同0.4%減と横ばいだった。結果は、新件の投資金と追加投資金は全て、227.6億ドルで、2014年比12.5%増加。2015年の直接投資金は約145億ドル、前年比17.4%増加。

このうち製造・加工業への投資が最も多く152億3000万ドルで、全体の66.9%を占めた。電気・ガスや給湯や空調設備の生産・流通業が28億ドルで 12.4%だった。不動産業は23億ドル(同10.5%)などとなった。

もっとも多くの海外直接投資を集めたのはホーチミン市で、金額は28億ドルにのぼった。これは、新規投資の18%に相当した。これにチャビン省(25億ドル、同16.2%)、ビンズオン省(24億ドル、同15.8%)、ドンナイ省(14億ドル)が続いた。

国・地域別でみると、2015年の投資金額がもっとも大きかったのは韓国の約26億ドルで、新規FDIの17.2%を占めた。2位がマレーシア(約24億ドル、同15.7%)3位がサモア(約13億ドル、8.4%)。日本は12億ドル(8.2%)を投資し4位だった。

2015年は、10億ドルを越える規模の投資案件が承認されたことでも注目された。ホーチミン市でタイン・フォー・デ・ブン合弁有限会社が都市開発「Empire City建設プロジェクト」に12億ドルを投資したのに続き、バックニン省ではサムスンの設備投資が30億ドルに達した。また、最近では12月、台湾の大手製紙メーカーであるCheng Loong社(正隆股份有限公司)が包装資材の製造工場建設のための10億ドルの投資をビンズオン省から承認された。このような大規模投資は、環太平洋経済協力協定(TPP)がきっかけとなっているとみられる。

投資計画省統計総局は、ベトナムの投資や改革に関する法整備が整いつつあると評価。今後は、ハイテクノロジー、環境に優しい技術、競争力があり世界的な生産ルートに参画する道が開ける分野、裾野産業の発展などの分野への海外投資を奨励するとともに、投資の質の向上にも力を入れるという。