陸路の国境貿易、2016年は300億ドルに達する期待

商工省のグエン・カム・トゥ副大臣は5日、行われた会合で、ベトナムの今年1年間の陸路経由の貿易額が300億ドルに達するとの期待を示した。

商工省の山岳国境貿易局のホアン・ミン・トゥアン局長によると、ベトナムの25の省が中国、ラオス、カンボジアと接する内陸の国境は4510キロに及び、中国の2つの省とラオスの10県、カンボジアの9州と接している。また、国境地帯には十数カ所の国境ゲートや経済特区があり、ベトナムは各国間での貿易を促進するためにさまざまな政策を実行しているという。

自由貿易協定の強化や、国境貿易関連の法規整備、国境貿易に関する政策を近隣国とのより緊密に協力しながら調整してきたことなどが、さらに国境貿易を活性化しているとトゥアン局長は説明した。

商工省によると、昨年2015年の1年間で、陸路の国境を経由した貿易は275億6000万ドルで、前年比約27%増した。

このうちベトナム―中国間の貿易が最も多く85%を占め、カンボジアとは11%、ラオスとは4%だった。

会合では、ベトナムの陸上国境貿易の妨げとなった欠点もいくつか指摘された。中国に隣接するランソン省の代表者は、中国側が最新の設備を備えているのに比べ、ベトナム側の国境付近には地域に貿易センターやスーパーマーケット、市場などのインフラが乏しい現状などを発表した。

そのほか、両国の国境地域で生まれた発展格差が、両者に公平に利益をもたらすような協力の妨げとなるとの意見があったほか、ベトナムの貿易活動が中国の市場に依存し、中国の政策に左右されるとの課題も指摘された。

トゥ副大臣は、国境貿易をめぐる協定に関して、近隣諸国との交渉をさらに進める必要があると強調。3国との陸路国境貿易に携わるベトナムの商人や企業の利益を守るために、同業者による協会の設立なども必要だとした。
また、「国境を接する国々との貿易関係におけるベトナムの強みはさらに伸ばし、負の影響は縮小できるよう、政府としても国境管理の改革を力強く続ける」と付け加えた。