ベトナムの食費、12年間で約3倍に 小売業の発展や消費者の購買力向上で

ベトナム人の食費が、2004年当時と比べて約3倍に跳ね上がっていることが、ベトナム統計総局の調査で分かった。

写真㊤=市場での買い物風景(ハノイ市ドンダ―区)
統計総局によると、2015年のベトナム人1人あたりの年間食費は平均約560万ドン(約250ドル)だった。この数字は2004年当時の約3倍にあたる。総局では、2016年にはこの数字がさらに570万ドンにまで増えると予想した。

ベトナム人全体の年間食費・食料品購入費は2010年に計約360兆ドンだったものが、昨年は520兆ドンに達した。2016年は540兆ドンになると予想されている。

ベトナム全土でみると、2015年の1人あたりの1カ月の平均食費は約47万ドンだった。しかし、物価の高い一部の都市では、1人平均がこの2倍にもなるという。

ベトナム小売業協会(VRA)がハノイで開いた「現代消費志向と生鮮食料品事情セミナー」で、農業・農村発展情報センター(AGROINFO)の関係者は、2014年のホーチミン市で1人あたりの1カ月の平均食費が96万1000ドン、ダナンでは80万2000ドンだった。ことを明らかにした。ベトナム小売業協会のディン・ティ・ミー・ロアン会長は「小売業の発展とベトナムの消費者の収入増による購買力向上が、食費の増加を招いている」と説明した。

また、ロアン会長によるとベトナムの消費者の約85%は、伝統的な小売店や市場、道端の出店などで食料品を調達。スーパーマーケットや大型スーパー、コンビニなどでの食料品購入は約15%にとどまっているという。