三菱ふそう、小型バス「ローザ」ベトナムで発売 ホーチミン市で生産開始

日本の三菱ふそうトラック・バス株式会社がこのほど、ベトナムで小型バス「ローザ」を発売した。ベトナムでの中規模や小型のバス生産販売に力を入れる考えで、ホーチミン市郊外で生産し、年間で約1000台の年間販売を目指す。

三菱ふそうは、ローザ発売を契機にベトナムでのバス事業を拡大する考え。部品は日本から輸出し、ホーチミン郊外にあるサイゴン交通運輸機械総公社(SAMCO)の工場でノックダウン方式による生産を始めた。同社がベトナムでバスの製造組立を行うのは初めて。約1000万ドル投資した工場では、年間約1000台の組み立てが可能だという。

ローザは日本で設計された製品で、すでに世界各国で販売されている。安全性、経済性、多様性などの機能が盛り込まれているという。ベトナム市場では、ビジネス(29席)、エグゼクティブ(29席)、エクスクルーシブ(22席)、スクールバス(53席)の4タイプを発売。車体は、白、青、赤など基準の8色がある。

製品は、メルセデス・ベンツ・ベトナム社を通じて販売する。今月初旬に行われた発売の記念式典で、同社のミヒャエル・ベーレンス社長は、「ベトナムのインフラ整備の速度が速く、都市交通手段も発展しているなかで、中型・小型バスの大きな潜在的需要があることが分かっている。(ローザで)乗客にも運転手にも優しい乗り心地を提供したい」などと述べた。

また、同社の親会社であるアジア・ダイムラー商用車のマーケティングセールス事業部、マイケル・ケンプファー氏は、ベトナムについて「東南アジアの戦略的市場で、自動車産業の著しい成長と活発な経済発展が期待できる」などと評価。そのためにベトナムへの投資や、ふそうブランドの商品導入計画も迅速だったという。また、ベトナム製ローザバスと海外のその他の国で作られているローザは「デザインも品質も同じ高いレベルで統一される」とした。

日本の技術、ドイツの販売や管理システムに加え、ベトナムで製造されたことも注目を集め、ローザシリーズはベトナムの市場に紹介されたばかりにもかかわらず、すでに約100台の注文があったという。メルセデス・ベンツ・ベトナムの過去20年間のビジネス用車のなかでも、ローザバスの受注はもっとも規模が大きいものとなった。北部地域の運輸大手、ホアンハ運輸も、利用車両の一部をローザにアップグレードするため、約1000億ドン投資することを決めたという。