ベトナム産デニム初の展示会 多くの企業が注目

今月中旬ホーチミン市で、ベトナムで初めてとなるベトナム産デニム製品の展示会が開催された。在ベトナムインド企業協会(INCHAM)とデニム業界の世界的な情報交流サイトデニム・アンド・ジーンズ・ドット・コム(Denimsandjeans.com)が企画したもので、国内外の注目を集めた=写真

成長するベトナムの繊維産業にあってデニム製品は特に注目を集めており、展覧会には繊維やデニム製品の製造、縫製などのベトナム企業30社以上が出展。デニム製品を多く製造するインドやバングラデシュ、イタリア、トルコなどの企業との協力と情報交換の機会となった。

ベトナム繊維協会(VITAS)のグエン・ディン・チュオン副会長は展示会で、ベトナム政府が欧州、日本、韓国などとの間で自由貿易協定(FTA)を締結し、環太平洋経済連携協定(TPP)にも参加していることを紹介し、「ベトナムの繊維業界に大きなビジネスチャンスをもたらし、インドなど各地の繊維生産企業との協力にもつながる」と話した。

2015年のベトナムの繊維輸出額は、270億ドルに達しているが、布などの原材料を102億ドル支払って輸入している。このうち、インドからの輸入が6300万ドルで、2014年と比べて11.8%増加しているという。

 

チュオン副会長によると、2016年のベトナムの繊維輸出額の目標は300億ドル。今回の展示に参加したベトナムをはじめとする各国の繊維生産企業とにとって、このような国際的な展示会は自社製品をアピールできる重要な機会となる。

 

デニム・アンド・ジーンズ創設者のサンディープ・アガーワル氏によると、今回の展示会は、デニム業界サプライチェーンがベトナムに集まり情報交換することでチャンスをもたらし、ベトナムの繊維輸出におけるデニムの役割を高めることがねらい。同氏は「この初の試みによって、小売業者や国際的なブランドがベトナムの繊維業界やデニム製品に関心を向けるきっかけになる」と期待を示した。