ベトナム統計総局によると、7月の輸入車台数は前月に比べて約30%増えて12000台を越えた。改正特別消費税法が施行された影響で、小型車が輸入の主流となったほか、業界にはさまざまな変化が生じている。

7月1日に施行された改正特別費税法では、エンジンの排気量が2500cc以上の大型自動車にかけられる税率が引き上げられ、一方では小型車は減税となった。エンジン排気量に応じて税率が高くなるシステムのため、例えば6000ccの大型車では税率が価格の60%から150%に引き上げられた。一方で、9席以下の小型自動車で1500cc以下のエンジン排気量の場合は、40~45%の減税の恩恵を受けた。これが小型車を中心とした輸入を後押しした。

6月は大型自動車の駆け込み輸入が増え、輸入車台数は少ないのに、価格ベースでは過去最高となる2億4800万ドルに達した。一方で法改正後の7月には輸入車の主流は小型車に切り替わり、輸入台数は多いものの金額ベースでは6月の2億4800万ドルから1億9300万ドルに減少する結果となった。

1~7月7カ月間のベトナムの自動車輸入総数は、約6万2000台で輸入価格は計140億ドルだった。台数では前年同期比3.9%減、価格ベースは17.9%減だった。

◇自動車輸入業者らによる脱税も 大型車価格を不正申告

 

ベトナムエンジニアリングメーカー協会(VAMI)によると、この税率引き上げを受けて、中国などから輸入する大型車の価格を不正に低く申請して、税金の支払いを安く抑えようとする自動車輸入業者が複数あったという。VAMIがこのほど、財務省に送った報告書で明らかにされた。

それによると、例えば、実際の価格は約4万9000ドルであるトラック=写真=の価格を、悪徳業者らは1台2万1865~2万4740ドルと申請。業者は1台当たり4040~4759ドルの税金支払いを免れていたという。

輸入業者による自動車価格の不正申告は、国の税収減につながるだけではなく、国内の自動車組み立て企業と輸入業者の間に不平等な競争を生むことが懸念される。協会は、規則の厳しい適用や輸入ゲートでの税金申告の監視徹底などを求めた。