7月の自動車輸入 インド産小型車が急増をけん引 台数トップはタイ

7月にベトナムに輸入された自動車のうち、国別の輸入先は、タイがトップだった。その一方で大きく伸びたのが、インド産の小型車だ。9席以下の自動車では、安価な価格を強みにタイや韓国、中国を抑えて輸入数が最多で、ベトナムで増加傾向にある小型自動車の輸入をけん引した。

写真㊤=ベトナムへの小型自動車輸入をけん引するインド産の小型自動車

ベトナム税関総局の発表によると、7月の1カ月間に輸入された完成車(CBU)台数は、国によって数量と輸入車種の傾向に大きな違いがみられた。数量ベースでは、最大の輸入先はタイで、ベトナムに3700台を輸出した。これに韓国が2000台で続き、インドは1800台で第3位だった。

1~7月の輸入車台数でも1位タイ(18800台)、2位韓国(12000台)、3位がインドと中国(7900台)だった。

しかし、車種別で9席以下の小型車輸入に限定すると、インドからの輸入が7500台で、タイや韓国を抑えてトップに=表=。タイの輸入車の場合は輸入港での到着価格が1台1万8218ドルであるのに対し、インド産自動車は1台約7000ドルと最安値であることが強みとなった。全体の車種別では、最多は韓国の自動車メーカー、ヒュンダイ自動車の「グランドi10」やスズキの「エルティガ」などだった。

ベトナムでは7月から特別消費税が変更され、小型車の輸入関税が引き下げられたことが影響し、自動車輸入が全体的に小型車中心にシフトしている。そのなかでも特にインドからの小型車輸入が増加した一因として、ベトナムがアセアンとインドとの間で結んだ自由貿易協定(FTA)の発効があげられる。インドからの輸入商品は輸入関税低減の恩恵を受けられる。実際にはインドからの自動車輸入関税は68%なので、工場出荷時の価格が抑えられ、他国と比べて競争力のある商品となった。

一方のタイはトラックや大型車の輸入が主流で、フォードやトヨタ、いすゞ自動車、三菱自動車などを中心に輸入した。


タイの自動車製造工場

ハノイの自動車輸入会社、ティエン・アン・フック社のグエン・トゥアン社長によると、「輸入車を扱う企業は、安い小型車を台数多く輸入する傾向を強めている。そのため、2000万~1億ドンもの値下げをするなど、市場の価格競争が激しくなっている」という。