国内最大の自動車展示会「第12回ベトナムモーターショー2016」が5日、ハノイで開幕し、会場の国際展示場で13の自動車メーカーの100モデルの自動車が紹介された。6~9日は一般にも公開され、約15万人の来場を見込む。

開幕式典では、商工省のド・タン・ハイ副大臣が、「このショーは、自動車産業とともに裾野産業をも発展させ、それを加速させている各企業の努力を示している」とあいさつ。ベトナムでは、景気の好調から新車販売台数が伸び、今後も市場拡大が予想されている。そのため、各社ともベトナムでの認知度アップに力を入れており、有名自動車メーカー各社がショーに新車を投入してきた。

米国のシボレー社は、スポーツカーのカマロや「自社最強モデル」と誇るコロラド2017のピックアップトラックタイプを展示。SUV(スポーツ用多目的車)のトラックス・ターボタイプもお目見えした。

 

フォードの展示ブースは、SUV部門で注目を集める多目的スポーツモデル、フォード・エクスプローラー2017を投入した。また、フォードは国際的な賞をいくつも受賞している省エネエンジン「エコブースト」も展示し、環境に優しく、高品質を追求する同社の姿勢をピールした。

 

ホンダ・ベトナムの新型車、10代目シビックは、タイで組み立てて輸入する計画という。「トレンドとなるために現状を打破する」という同社の精神の象徴とされており、注目を集めていた。

一方、ミツビシ・モーターズ・ベトナムは、発売されたばかりのSUV車、パジェロスポーツを紹介。ダイナミックで力強いボディと、洗練された内装、SUV車の中でも優れた機能性を誇る設備が特徴だ。

 

長くベトナムモーターショーへの出展がなかったいすゞ自動車(いすゞベトナム)も、今回は特別車mu-X LIMITEDを携えて登場した。

 

ショーは、2013年から3年連続でホーチミン市が会場だった。今年4年ぶりにハノイで開催されたことから、今回は、ベトナム北部の顧客が韓国の起亜(キア)と日本のマツダの2ブランドの自動車を間近に見る初の機会となった。

トヨタ・モーター・ベトナムはSUVのフォーチュナー2017とハイラックス2017の2種の新車モデルをPR。ホンダ・ベトナムはシティとCR-Vというベストセラー車で、省エネ性や安全性、スポーティでダイナミックなデザインなどを見せつけた。また、タイ組み立てのアコードや、日本で作られるオデッセイも紹介し、ベトナムの顧客に「能力・品質・信頼性」というホンダの信念を伝えた。

このほか、ふそう自動車のトラック、韓国の現代(ヒュンダイ)自動車、ロシアのトラックメーカー「Kamaz」なども新モデルで存在感をアピールした。

 

また、ベトナム自動車製造業者協会(VAMA)会長の丸田義久・トヨタ・モーター・ベトナム社長=写真=は、「ベトナムモーターショーは、めまぐるしく変化するベトナムの社会における自動車の重要性を示している。モーターライゼーションの時代はすぐそこまで来ており、我々もその準備をしなければならない。これからの自動車は単なる交通手段ではなく、楽しい体験であり、より安全で健康的な生活をもたらすものだ、というのが自動車業界のビジョンだ」と期待を示した。