2016年の1年間にベトナムを訪れた外国人観光客が1000万人を超えたと、文化・スポーツ観光省が発表した。国内の観光客も約6億20万人に達し、観光関連の総売上高は、約400兆ドン(約180億ドル)だった。

写真㊤=重点的に観光客誘致活動を進めたフーコック島の美しいビーチ
文化・スポーツ観光省傘下の観光局によると、中国からの観光客が12月には二桁の伸び率となる勢いとなったことが、1000万人達成に貢献した。

1000万人目の外国人観光客を歓迎する式典は、ベトナムの国際統合が進んだことや、ベトナム経済をけん引する観光業界の今年1年間の努力と発展を記念して実施された。国は今年を「フーコック・メコンデルタ観光年」と位置付けており、その閉幕式も兼ねて、12月25日に南部のリゾート地フーコック島(キエンザン省)フーコック空港で行われた。

観光局によると、このような外国人観光客の伸びは、今年、旅行会社や各地方の観光地を含めた観光業が一丸となって協力したことが大きな要因だったという。また、積極的に宣伝や観光促進プログラムを展開したことも功奏した。例えば、観光局は海外の観光客向けに情報を発信するウェブサイト「http://vietnamtourism.vn」を公開。また、海洋汚染が発生したベトナム中部で迅速な環境改善をサポートしたり、施設設備の集中的な改善を行ったりするなど、ベトナムの観光のイメージアップを徹底した。

2017年1月1日からは、外国人観光客に対して電子ビザが発行されることになり、出入国手続きの改善において新しい一歩を踏み出す。電子ビザ発行の実施によって、今後さらにたくさんの観光客が海外から訪れると期待される。2017年には、ベトナムを訪れる外国人観光客は1150万人、国内観光客は66万人と予想されており、総売上高が460兆ドンに達すると見込まれている。

2016年の「フーコック島・メコンデルタ地方観光年」では、国は、フーコック島のあるキエンザン省をはじめ、南部メコンデルタへの旅行を重点的に開拓してきた。観光専門家や経済家の多くは、メコンデルタ周辺やキエンザン省が観光の中心地になるための重要なステップになったとして、2016年のイベントを評価した。

フーコック島はベトナムの観光リゾートの中心地であり、国内をはじめ海外でも類を見ない自然生態系を誇る。2016年にキエンザン省を訪れた観光客は540万人にのぼり、昨年同期と比べ24%増となった(当初計画は9.5%増)。なかでも、海外からの観光客は前年同期比31.4%増加し、年間計画の14%を大きく超えた。