年末の観光客に大きな伸び 2016年の目標観光客数達成に寄与

ベトナム観光局(VNAT)はこのほど、昨年11月から年末にかけてのベトナム各地での観光客誘致の大きな伸びが、国の2016年の観光客目標数の超過に貢献したとするレポートを発表した。各地の誘致の努力と工夫が実ったものと分析し、2017年の観光発展に向けて、大きな弾みとして期待している。

ホーチミン市観光局によると同市の11月の観光客は50万1801人で前年同月と比べて7.9%増加した。また、観光収入は約9兆1800億円(同6%増)だった。

当局はこの数字を、川辺や水辺の観光整備、国際基準にのっとった観光サービスの提供、芸術や芸能などのパフォーマンスや文化祭などの開催、「ホーチミン市のおもしろいこと100選」など同市が展開した効率のよい観光促進プログラムなどの成果だったと位置付けた。

同市はまた、アジア太平洋インセンティブエキスポ(AIME)や「2016年南部フルーツ祭り」、2016 ASEAN観光フォーラム(ATF 2016)、「アジア太平洋地域観光促進団体フォーラム」など、国際会議やイベントを積極的に開催。「海外在住ベトナム人と手をつないで実現するホーチミン市を迅速で持続可能な発展と国際統合」をテーマに、海外在住のベトナム人が集まったフォーラムは特に注目されるなど、「これらの行事の開催がホーチミン市への海外からの観光客の増員を促した」と分析した。

ホーチミン市や首都ハノイ市などの大都市だけではなく、11月、ベトナム西北部のラオカイ省では23万930人の観光客を迎え、メコンデルタのキエンザン省も36万8934人の観光客が訪れ、観光収入は3520億ドンにのぼるなど、ベトナム各地で観光客数の伸びが著しかった。北中部のタインホア省の観光客も前年同月より18%増加した21万人で省に1730億ドンの収入をもたらし、メコンデルタのベンチェ省も9万5905人の観光客が訪れた。

11月はまた、豪華客船による観光クルーズ人気も爆発し、この1カ月だけで16640人の外国人観光客が航路でベトナムに入国した。クアンニン省のハロン湾にあるホンガイ港に2500人の観光客を乗せたゲンティン・ドリーム号が入港したほか、11月22日にはサイゴンツーリストによるスーパースター・バーゴ号の運航でバリアブンタウ省のフーミー港に1100人が訪れた。最大規模だったのが、ベトナム中南部ダナンのチャンマイ港に寄港したバハマ船籍のオベーション・オブ・ザ・シーズ号で、4100人の観光客と1596人のクルーがベトナムを訪れた。

国際基準を満たした高級ホテルの開業や観光関連施設整備などのプロジェクト遂行も、外国人観光客の伸びを後押しした。11月に開業したムオンタイン・グランド・トゥエンクアン省(ベトナム東北部トゥエンクアン省)や系列のムオンタイン・クア・ドン(北中部ゲアン省)はいずれも、4ツ星級のホテルだ。クアンガイ省は観光客を迎え入れるために2000トン級、400席の客船が寄港できる港湾整備を展開し、メコンデルタのドンタップ省は、2020年完成の計画で、チャムチム国立公園内に約900億ドンを投じてエコツーリズムを行うためのインフラ整備に乗り出した。

VNATのグエン・バン・チュアン総局長は「さまざまな課題があるなかで各地域は問題解決にまい進しており、ベトナムの観光業は、観光客からも、また投資家からも信頼を得るに至った。このことが、2016年のベトナムの観光業界の発展のカギだった」と振り返った。