国境付近の物流拠点整備へ カンボジア、ラオスとの貿易促進

ベトナムの商工省はこのほど、飛躍を見せるベトナムと、カンボジア、ラオス両国との貿易をさらに加速させようと、国境付近の倉庫群開設や物流拠点整備などを盛り込んだ「2025年に向けた国境貿易発展のためのマスタープラン」を承認した。これにより2035年を目標に、両国との輸出入の促進と飛躍を目指す。

商工省の山岳・国境地域貿易局のレ・ビン・クオン副局長によると、両国国境近くにある倉庫や物流施設は、小規模な個人所有のものがほとんどだという。このため、輸出入にかかわる業者らは多数の企業と契約を交わす必要があり、国境貿易が煩雑化し、長期的な関係を築く妨げとなっている。

「業界からは、国境付近での品物の安定的な保管やスムーズな物流サービスなどを求める声は高い」とクオン副局長は話す。

マスタープランは、物流・倉庫業界が求める課題を解決し、輸出入にかかわるさまざまな活動を迅速化し、同時に持続的な発展を促進する物流サービスを提供するねらいがある。その結果、ベトナムとカンボジア、ラオス両国との間の貿易が今後大きく促進されると見込まれている。

倉庫群は2025年までに、国境付近に建設される計画。このうち80%の建物は単純な倉庫にとどまらず、荷役作業、検疫や通関手続きなど、輸出入に不可欠な多様な物流サービスを行える施設とする予定。また、現存する国境ゲート1カ所につき少なくとも1棟の倉庫を改善または新設するという計画で、一か所集中ではなくまんべんなく底上げを図っていく。

ベトナムとカンボジア、ラオスとの間には現在19カ所の国境ゲートと経済地区がある。ベトナムと両国との間の貿易は近年、比較的安定的な成長を見せており、今後、両国の経済発展や工業化が進むにつれ、さらに大きく発展すると見込まれている。

そのため山岳・国境地域貿易局では、輸出入の規模や交通量、物流量が多く、今後の発展が見込まれる主要国境ゲート付近では特に重点的に、近代的な倉庫保管や物流サービスが提供できるようなシステムを構築していく必要があると考えている。