不良債権など順調に回収、3年で50兆ドン ベトナム資産管理公社

ベトナム資産管理公社(VMAC)はこのほど、同社が2013年以降の約3年間で、50兆1650億ドン(約22億ドル)の債権を回収したと発表した。これは、同社が信用機関などから購入した債務の17.6%に相当するもので、今後、回収のペースをさらに加速させるという。

同社はこれまでにベトナム国内の信用機関や金融機関など42機関から債権などを購入しており、総額は計約284兆2060億ドン(約120億5000万ドル)にのぼる。大半は、不動産担保や、不動産や工場、工業用地、各種プロジェクトや社債などを含むローンからなる担保資産付きだという。

同社は今後さらに150兆ドン(約66億ドル)を回収し、債権回収率を約70%まで引き上げる考えを示した。VAMCのグエン・ティエン・ゾン代表は、「その具体的な実現手法を検討している。VMACが金融部門だけでなく、あらゆる業界で横断的に債権を扱えるような組織としていく」と説明した。

ゾン代表はまた、債権回収の主な目標が、収入源を再構築することと同時に、経済活動における資本コストの削減にあると指摘。「不良債権が解消されない限り、(銀行各行は)貸し出し金利を下げられず、企業は想定を上回る金額を支出し続けなければならない」と理解を求めたうえで、VAMCが不良債権回収の目的を達成するために、「政府がVAMCの方向性を認め、一定の権限を付与する必要がある」と求めた。