化学工業分野で成長を目指す 年間14~16%目標に

商工省はこのほど、基礎化学工業製品の発展と生産の長期的計画を承認した。計画では、有機や無機の化学製品の生産で、年間成長率を14~16%とし、それを継続的に維持することを目指す。また、環境に配慮した生産拠点の整備を各企業などに促していく。



ベトナム商工省化学工業局によると、ベトナムは2025年までに、ナトリウム化合物、硫酸、リン酸、塩酸、硝酸、アンモニアなどの無機化学物質の国内需要の80~90%を自国内の生産で賄えるようになる見込み。エチレングリコール、塩ビモノマー(VCM)やメタノールなどの有機化学物質の時刻自給率も、17~20%を目指していく。

グエン・バン・タイン化学局長は、「いくつかの化学物質の国内需要を満たせるようになるため、同計画で生産設備の拡大を検討している」と説明。具体的には、南部カントー市のゼオライト生産拠点や東南部ドンナイ省のDOP可塑剤生産プラントを拡大整備するという。また、ロンタインの石灰プラントでの硫酸生産を、年間12万トンまで引き上げることや、ラオカイ省の「DAP第3肥料生産プロジェクト」に盛り込まれた硫酸、リン酸などの生産設備新設への投資も計画に含まれるとした。

2021~2025年にかけて、ベトナムは無機化学物質の生産設備への投資を継続的に行う考えで、洗剤やガラス製造、製紙などの業界に原材料を安定供給できるシステムを構築する。

石油精製施設や石油化学製品の製造拠点などで整備にめどがつけば、続けて、関連する有機化学製品の生産設備強化に焦点を当てて行く考えだ。それにより、ベトナムがもつ原材料や天然ガスなどを、より効率的に活用できるようになるからだ。

一方で、チャン・トゥアン・アイン商工相は、「経済効率を高めながら、環境保護の基準や規制を満たすためにも、基礎的化学物質の生産拠点は、最先端技術が導入され、ある程度の規模をそなえた施設であるべきだ」と指摘。さらに「石灰岩やアパタイト鉱石、ボーキサイト、石油、天然ガスや海水なども、秩序をもって、環境に配慮しつつ開発をすべきだ」と強調した。

今後、商工省は関係する省庁や機関、さらには地方行政組織、人民委員会とも協力し、実情にそった計画の実現を目指していく。