ベトナム計画投資省の外国投資局によると、2017年の1~4月の海外直接投資(FDI)は109.5億ドルで、前年同期比40.5%増加となった。分野別でみると、製造業と加工業での誘致が73.6億ドルで最も多く、全体の69.53%を占めた。

1~4月の間に投資証明書が発行された新規プロジェクトは、734件だった。総登録資本金は48.8億ドルで、前年同期比4%減。ベトナムは製造業と加工業で11,838件のFDIプロジェクトを獲得しており、登録資本金は1750億ドル。ベトナムに投資した外国資本の数では全体の51.6%、金額では58.9%を占めている。

追加投資が行われたプロジェクトは345件。追加資本は43億6,000万ドルで、昨年同期比241.8%増の大きな伸びを見せた。また、海外の投資家を対象としたM&A取引は1,687件にのぼった。この総資本金額は13億5,000万ドルで、2016年の同期と比べると2倍以上の規模となった。

ドー・ニャット・ホアン外国投資局長は、注目が集まるベトナムへのFDIについて、「ベトナムはFDIを誘致する魅力がある。第一に、長期投資にとって重要な条件となる政治情勢や安全保障が安定していること。第二に、インドシナ半島の西部地域の経済への玄関口に位置し、貿易立地でも優位にある」と説明した

さらに、第3の利点として、9,200万人を超えるベトナム人口を挙げ、「質の高い労働力を抱え、価格面での競争力も高い」とした。また、12の国・地域との自由貿易協定締結、ASEAN経済共同体(AEC)への参加なども、ベトナムが地域や世界の市場につながる良い機会となっているとみる。

ホアン局長は、特に分野別に分析すると、「製造業と加工業が引き続き外国投資家の関心を引き付ける」と予測した。

今後、ベトナムは裾野産業への投資や、環境に配慮した事業への誘致に焦点を当てる考えだ。専門家らは、海外企業などにとってのベトナムの魅力をさらに高めるために、投資環境のさらなる改善▽製造施設などの改良▽人材の質の向上―などを図る必要があると指摘した。