ベトナム初の旅行販売サイト「Tripi.vn」 旅行業界の変革に自信

ベトナム観光協会と、ハノイに本社を置く旅行会社のTETTO社が共同設立した、ベトナム初のオンライン型旅行販売サイト「Tripi.vn」が注目を集めている。ウェブ上で簡単に旅先や行程、人数を指定、ホテルや航空券も一括購入できる利便性から、若い消費者らの賛同を得ているようだ。

Tripi.vnは、旅行商品のパッケージツアーとホテル、飛行券などをオンラインで販売する旅行販売サイト。この種のものはベトナムでは初という。多くの旅行代理店が提供する商品を集めていることから、利用者は類似商品の価格比較ができるという利点がある。また、簡単にオンライン予約ができるため、時間やお金も節約でき、新たな観光需要を掘り起こす起爆剤として期待されている。
新しいテクノロジーを応用した同サイトでは、利用者が求める旅行商品がより早く見つけられる検索などの機能が付与され、顧客の希望や個別のニーズなどにも細かく対応できるという。手数料の面でも、Tripiの利用では、商品を提供する企業と利用者の直接取引となるため、代理店などへの中間手数料が必要ない。支払いは、ビザやマスターカードなどの国際的なクレジットカードのほか、ベトナム国内のすべての銀行カードでのオンライン決算で行う店なども画期的という。
 



さまざまな旅行商品が提供されているTripiのサイト

TETTO社の社長で、同ウェブ創設者でもあるチャン・ビン・ザンさんによると、2015年にこのビジネスアイディアが生まれ、2016年4月にはすでに旅行商品の販売をスタートさせたという。創設メンバーは80年代生まれの若いチームで、海外で研修や研究をした研究生やIBM、Google、Yahooなど欧米の有名IT企業で働いた経験のある優秀な人材がそろう。
昨年は、ベトナムの観光関連の優秀なプロジェクトなどを表彰する「Nhân tài Đất Việt 2016賞」で2等賞を受賞し、注目度が大きくアップ。現在はまだベトナム語のサイトのみでの対応だが、将来は英語版も設けて東南アジアの観光客も取り込みたい考えで、航空券やホテル予約、ツアーの申し込みなどを組み合わせた独自商品を提供していく。ザン社長は、「Tripiはまだ初めのフェーズにいるに過ぎず、次のステップで営業力を高め、多様な展開を目指し、今後4~5年で新たな発展が期待できる」と話した。
旅行契約件数はスタートから1年弱でまだ1000件ほどだが、注目は高まっており、成長率は毎月100%以上の伸びだという。2017年は、家族連れや若い世代を中心に、1万人の利用を目指す方針で、ザン社長は、「ベトナム人として、世界の一流の国々に観光の面でも負けたくない。今後も観光業界を変革することによって、人々の生活をより便利にしていきたい」と自信を見せている。