1~4月の野菜・果物輸出額、過去最高 種類と輸出先拡大で

ベトナム商工省によると、今年4月のベトナムの野菜や果物の輸出金額は、計約3億1300万ドルだった。1~4月の4カ月間の輸出総額は前年同期と比べて32.6%増えて1兆ドルに達し、過去最高額となった。

野菜や果物の輸出先を国別で見ると、1~4月の輸出が特に多かったのは、中国、アメリカ、日本、韓国で、この4カ国で野菜と果物の全輸出の82.8%を占めた。また、1~4月に輸出が著しく伸びたのはロシア、タイ、マレーシアなどだった。

これまでに、ベトナムは野菜や果物を、世界50カ国へ輸出。特に、農産物の輸入条件が厳しいアメリカやヨーロッパや日本、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどへの輸出も果たし、ベトナムの野菜、果物の品質などが証明された。

東南アジアの農産物輸出大国であるタイへも、最近ではベトナム野菜などが輸出されるようになるなど信頼度は高まっている。昨年のベトナムからタイへの農産物輸出は、前年比34%増だった。

輸出する商品の品種拡大にも力を入れている。アメリカの農務省傘下の動植物検疫所(APHIS)は、今年4月中旬、2018年1月以降のベトナム産ミルクフルーツ輸入を許可した。すでに米国に輸入されているドラゴンフルーツ、ランブータン、ライチ、竜眼(リュウガン)に続き、ベトナムからの輸入が認められた5番目の果物となる。

一方で、新たな市場開拓にも力を入れている。商工省によると、アラブ首長国連邦(UAE)は、許可限度を超える残留農薬があったとして今年5月、中東の複数の国からの果物の輸入を禁止したという。ベトナムの果物業界は、これらに代わってUAE市場に参入できる可能性があると、色めき立っている。UAEの果物輸入の市場規模は、果物の輸入額も2014年が32億ドル、2015年が26億ドル、2016年は25億ドルと、小さくないからだ。

商工省では2017年のベトナムの野菜と果物の輸出総額を、約30億ドルと見込んでおり、これは前年と比較して25%増となる予想だ。ベトナムはすでに50カ国以上の国々と自由貿易協定を締結しており、世界市場の拡大により農産物の価格が上昇傾向にある。これらのことから、ベトナムの野菜果物の輸出は今年第2四半期に大きく増加すると見込まれており、年間の輸出目標額達成に向けて、期待が高まっている。