過剰な豚肉を緊急輸出へ 価格急落で政府が対応

畜産業界が直面している豚肉の供給過多と価格急落について、このほど開かれた政府と関連団体による緊急会議で、ティン・ディン・ズン副首相は、「輸出に活路を求めることこそが重要だ」と強調した。

ベトナム飼料協会のル・バ・リ会長は「ASEAN(東南アジア諸国連合)や日本、中国といった豚肉需要の高い国々に、安全性の高い冷凍豚肉の輸出促進を進めていかなければならない」と訴えた。

商工省によると、現在、ベトナムからは国境経由で中国に食肉用の豚を輸出しているほか、子豚をマレーシアや香港に輸出している。同省のド・チャン・ハイ副大臣は、「ベトナムからの豚輸入に前向きな国々が求めているのは、安心安全な動物検疫だ」と語った。政府としては今後、中国との輸出拡大に向けて協議していく。また、農業農村開発省から、輸出促進に向けた代表団をASEAN諸国に派遣する。商工省国内市場局のボ・バン・クィエン局長によると、同省では中国以外にもシンガポールやマレーシアとの輸出交渉にも力を入れている。

現在、ベトナムが抱える豚肉市場における問題点について、業界の関係者は「肉をマイナス18度以下で冷凍しておくことができる食肉処理施設の不足が、豚肉輸出の大きな障害になっている」と指摘する。

畜産業のCPベトナムの担当者は、「今後は、新たな輸出先を探すとともに、借りられる冷凍施設の確保を急ぐ」としている。ダバコ・グループの担当者は、「生産効率を上げるために、最新技術を導入していきたい」と話す。