コーヒー栽培を気候変動にどう適用させるか

気候変動はますます深刻化し、コーヒー栽培に悪影響を与えるとともに、その収穫量も減少させている。そのため、気候変動に適応する持続可能なコーヒー生産の構築が今、強く求められている。

写真㊤=コーヒーの生産は、計画された地域で集中的に行われるべきだ
農業農村開発省農産物生産局のレ・バン・ドゥック副局長によると、コーヒーの栽培面積、収穫量自体は大幅に増加している。しかしながら、近年、エルニーニョ現象という“呪文”が、中部高原のコーヒー生産に悪影響を与えていると指摘する。

昨年、中部高原におけるコーヒー農園の総面積は577,786ヘクタールだったが、そのうち116,403ヘクタールが干ばつに見舞われ、トータルで6,854ヘクタールを損失した。また、今年は、雨季が早めに到来したため、コーヒーの花の15~20%が季節外れに咲き、50~70%は実がならなかった。

専門家の意見では、コーヒー栽培の経験を共有し、気候変動を乗り切る対策を提案することが、とても必要とされている。西部高原農林科学技術研究所 の所長代行、チュオン・ホン博士は、「早咲きのコーヒーの花の割合が10%を超えるなら、乾季における花の芽の生育を促進させるために、適量の水を速やかに供給する必要がある。もし、早咲きのコーヒーの花の割合が10%未満であれば、作物への水の供給は必要ないだろう」と述べた。

また、国立農業普及センターのセンター長代行を務めるチャン・バン・コイ博士は、「気候変動は、以前にも増して、中部高原の農業生産に悪影響を及ぼしている。不利な気候条件は、害虫の成長を促し、コーヒーの品質や収穫量を低下させるとともに、生産コストを増大させる。この状況では、2017年における、気候変動による悪影響からコーヒー栽培を守る緊急対策に加えて、長期的には、コーヒー生産を計画された地域で集中的に行っていく必要がある」と語った。さらに、コイ氏によると、農業従事者は、土壌状態が適さず、水資源も不十分な場所でコーヒーを栽培すべきでなく、無計画な地域で栽培されているコーヒーは、他の作物へ置き換えるべきだという。

コーヒーの植え直しは、農業農村開発省の計画に従うべきであり、コーヒー生産を気候変動に適応させるためには、水の経済的な使用も必要だ。

2016年には、22の省の105の地区で、640,000ヘクタール以上のコーヒー栽培が行われている。ベトナムは180万トン近くのコーヒー豆を輸出し、33億6000万米ドル以上を得ている。そして、全栽培面積の約84%に当たる540,000ヘクタールが、中部高原のザライ省、コントゥム省、ダクラク省、ダクノン省、ラムドン省に集中している。