ベトナムは、中東・アフリカ地域において、市場シェアを拡大する大きな可能性を持っている。なぜなら、この地域は相当に大きな人口を持つ上、需要の高い輸入品がベトナムの主要輸出品と一致するためだ。

写真㊤=コメは中東・アフリカ地域へ輸出される主要なベトナム産品の1つだ

商工省傘下のアフリカ、西アジア・南アジア市場局 副局長、ゴー・カーイ・ホアン(Ngo Khai Hoan)氏は、このほど、開催されたセミナーで、こう発言した。

このセミナーは、中東・アフリカ地域におけるベトナム企業の市場拡大とパートナー開拓を支援するために、ベトナム貿易振興機構 (the Vietnam Trade Promotion Agency)が開いたものだ。ホアン氏は、「ベトナムは、この地域の70を超える国々と外交関係を樹立しており、ベトナム企業が製品を輸出する絶好の機会を提供している」と述べた。

実際に、他の市場が多くの困難に直面しているにもかかわらず、中東・アフリカ地域へ輸出する伝統的なベトナム製品は、依然として高い成長を見せている。コメ、コーヒー、胡椒、革靴といった伝統的な産品に加えて、電子部品や機械装置、設備、交換部品などの多くの高付加価値品も、これらの地域へ輸出している。

中東・アフリカ地域の国々では、プラスチック材料やコンピューター、電子製品や電子部品、ガス、機械、設備に加えて、シーフードや食品、消費財に対する需要も大きい。

商工省によると、ベトナムは多くの中東諸国との間で、外交使節によるネットワークはもちろん、長年続いている古くからの外交関係や協力関係がある。ホアン氏は、中東諸国の輸入品は、衣料品や履物製品、農産物といった主要なベトナムの輸出品と一致していると強調した。

しかしながら一方、ベトナム企業がこれらの市場に参入する際には、不安定な治安や民族間の衝突、宗教対立、文化的宗教的な相違、市場情報の不足といった課題、そして、とりわけ多くの企業が信用状(L/C)を開設する習慣がないという支払い方法の障害について留意すべきである。

商工省も企業に向けて、これらの市場に進出するにあたっては、パートナー企業の評価にコンサルタント会社を活用し、現地の政治情勢を絶えずチェックするなど慎重な市場調査を行って、リスクを軽減するよう警告した。