在庫増に悩む国産砂糖―「現状はそれほど甘くない」

ベトナムのサトウキビ砂糖協会(VSSA)は、国の諸機関に対し、砂糖の在庫に対処し、持続可能な販売を促進するための適切な措置を講じるよう要請した。写真=砂糖の在庫量は高い水準に達した。

急増する在庫量
VSSAによると、2017年の初めから5月19日までの間に、全国の製糖工場は136万トン以上を生産。一方、販売の低迷により、砂糖の在庫量は74万8224トンに達しており、これは過去数年間の同時期と比較して最も高い水準にある(2016年は48万6205トン、2015年は49万6790トン)。

VSSAは、在庫量が増大した理由について、不利な気候条件により、2016年から17年にかけてのサトウキビの収穫が遅れたためとしたが、同時に、密輸の増加が国産品の売上を低迷させているとも指摘した。

その上、国内の砂糖会社の流通・販売能力は依然として低く、多くの製糖工場は、まだ自社製品を仲介会社を通して販売している。顧客サービスの欠如、とりわけ砂糖を製品の材料として使用する顧客が不足していることが、砂糖の生産チェーンや持続可能な販売を妨げている。生産者、販売業者、顧客間の連携が全くないために、砂糖の売上は、生産高と価格の変化に直面するという問題に向き合うことになる。

密輸取り締まり強化への要請
砂糖の在庫量を減らして、売上を維持するために、VSSAは、企業は正確な生産高予測を提供し、国の諸機関が需給バランスを確保するために適切な市場管理措置を実施できるようにすべきだと述べた。

それぞれの製糖工場は、販売網を強化するとともに、砂糖の卸売業者や小売業者はもちろんのこと、製品材料として砂糖を使う企業も、戦略的な顧客としてターゲットに置く必要がある。顧客サービスは、相互に利益を生み、持続可能に発展するためのものであるべきだ。

加えて、製糖工場は、品質、価格、納期において真剣に取り組むべきであり、密輸品と国産品の価格差を縮小するためにも、柔軟性のある販売計画を構築すべきである。さらには、砂糖の品質基準を定めて、公表する必要もある。

VSSAは、各省庁や部局、関係の国家機関に対し、とりわけベトナム南部の省と接する国境付近と、ラオスと接するラオバオ国境(the Lao Bao Border)における密輸の取り締まりを強化するよう要請。さらに、一時的に輸入された砂糖が、国内市場へ再輸出されるのを防ぐよう管理を強化すべきだとした。また、5%の関税率の割り当ては、ASEAN諸国からだけでなく、ブラジルやオーストラリア、インドといった他の市場から輸入された砂糖にも適用し、供給業者間の競争を活発化させることで、高価なタイからの輸入品への依存を止めるべきである。正確な需給予測とは別に、タイムリーな市場安定化政策もまた求められる。

2017年5月19日までに、製糖工場は全国で計74万8224トンの在庫を抱えており、これは生産量の54.9%に相当する。これらの在庫には、以前に収穫されて売れ残った47万9915トンの砂糖も含まれている。国内では、今年の初めから5月19日までの間に、136万トンを超える砂糖が生産され、109万トン以上が販売された。