カールスバーグとベトナムのビール大手ハベコ、11月にも交渉終結へ

デンマークのビール大手カールスバーグによる、ベトナム第2位のビールメーカー、ハノイビール・アルコール飲料会社(ハベコ)の株式取得で、二社間の交渉が11月にも完結する見通しだという。ハベコ関係者が明らかにした。

二社は、取引金額などの設定にあたって、まだ具体的な合意には至っていないというが、ハベコのブォン・トアン副社長は「両社でこれまで9回におよぶ交渉を展開してきた。最終の交渉日程は11月15日だ」と話した。

カールスバーグは、2009年のIPO(株式新規公開)でハベコ株を16%取得したのに加えて、市場で株を買い増し、現在はハベコ株の17%を保有している。

二社が2009年に締結した協定で、カールスバーグには、残るハベコ株が市場に放出される際には優先的に取得する権利が与えられていた。「このため、ハベコは、株式化に向けてベトナム政府が残る82%の株放出を決めたさい、真っ先にカールスバーグとの交渉を始めた」と、トアン副社長は話した。

トアン副社長によると、ベトナム政府は市場価格などを参考に取引金額を設定する方針であるという。一方、カールスバーグはIPO当初の価格での取引を望んでいることから、両者には価格面での開きがあり、譲渡価格の合意に至っていないのだという。

また、カールスバーグが51%以上のハベコ株を取得したい考えでいるのに対して、ベトナム政府は、ハベコが不動産関連や食品・清涼飲料製造などの分野でも事業を展開していることを理由に、49%以上の株式取得を承認していないことも、今後の焦点となる。

ハベコは昨年1月、未上場株式取引市場のアップコム(UPCoM)に株式を上場した後、今年1月にホーチミン市証券取引所に移っている。今月20日のハベコ株の株価終値は10万7000ドン(4.75ドル)で、上場時期に比べ約156%増、IPO当初に比べて100%増だった。