天候に左右される消費者物価指数、年末にかけて動向注視

今年の残る数か月間の天気予報次第では、商品の需要増とともに、物価の上昇を引き起こす可能性がある。関連当局には、物価安定を維持する対策が求められている。

天候の影響を受けて
今年8月に開かれた国内市場のワーキンググループでの会合で、ベトナム商工省国内市場局のグエン・ロック・アン副局長は「北部山岳地域の暴風雨の影響を受けて、8月の食糧価格が上昇した。同時に石油、ガソリン、ガス、建設用鋼材やその他材料も、海外市場の価格水準と比較して大きく高騰し、学校関連用品も2017-2018年度を前に価格が上昇した」と述べた。

ベトナム統計総局(GSO)によると、今年の1月から8月までの間、商品・サービスにおける小売売上高は、2.58兆ベトナムドンを超え、2016年の同じ時期より10.26%上昇した。

GSO物価統計局のヴー・ティ・タイン・トゥイ氏によれば、豚肉と野菜の価格上昇は、部分的には、この8月に、7月に比べて消費者物価指数(CPI)が0.92%急増した要因だという。2017年1月から8か月間のCPIは3.84%の伸び率を示したが、これは2016年の同時期より高いものの、国会が定めた4%の目標よりは低い値である。

CPIの伸び率に関しては、今年最初の5か月間では4.47%を示したが、以降は下落を続けており、6か月間でみると4.15%、7か月間では3.9%、8か月間では3.84%となっている。統計学会のグエン・ドゥック・タン氏は「これは良いきざしであり、CPIが効果的に統制されていることを証明している」と述べた。

厳格な管理
国内市場のワーキンググループは、これから年末にかけての財市場は、雨季や新学期の開始、潜在的な材料価格の上昇、医療費や教育費の変動、商品需要の増大といった要因の影響を受けるだろうと予測している。

トゥイ氏は、「健康保険を除いた医療費の個人負担額は、8月に17の省で増加。9月には別の13の省で増加が見込まれており、CPIのさらなるプラス要因となる」と述べた。

ワーキンググループでは、地方当局に対し、今年の残り数か月間とテト(旧正月)の期間中に、十分な商品供給を確保するよう求めた。ただ専門家は、これから年末にかけて、財市場は比較的安定し、CPIの年間の伸び率は、国会が定めた4%の目標より低い、3.6~3.7%ぐらいに落ち着くだろうとみている。